主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

ルカの福音書2:21-38 「シメオンとアンナの喜び」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「わがたましいよ 主をほめたたえよ。主が良くしてくださったことを何一つ忘れるな。」(詩篇103:2)

【礼拝メッセージ要旨】

救い主誕生の知らせは、エルサレムで救い主の到来を熱心に待ち望んでいた人たちにも知らされます。今日は、エルサレムの神殿で、生まれたばかりのイエス様に出会ったシメオンとアンナの姿から学びたいと思います。

1)幼子イエスに出会うシメオンとアンナ
イエスの誕生から40日目に、ヨセフとマリヤは律法の定めに従い、イエスを神にささげるためにエルサレムの神殿に連れて行きます。そこでシメオンとアンナに出会います。シメオンは正しい敬虔な人で、聖霊が彼の上にとどまっていました。アンナは、若くしてやもめとなり、以来、神殿で神に仕える人生を送ってきました。彼女は祈りの人でした。二人とも神が約束された救い主が来られることを長年待ち望んでいました。彼らは、人生の晩年になってその救い主に出会えたのです。幼子イエスに出会い、心から喜びました。

2)待ち望むこと
シメオンとアンナの姿から、「待ち望む」ということを教えられます。「待ち望む」とは、「希望をもって待ち続ける」ことです。今の時代、「待つ」ことが難しくなってきたように思います。インターネットで瞬時に情報を入手できますし、コンビニに行けば24時間好きな時に買い物ができます。待たなくても欲しい物がすぐに手に入る時代になりました。便利でありがたい反面、待たないことが当たり前になってしまったようです。それでも、時にはどうしても待たなければならない、という状況に置かれることもあります。コロナ禍では約3年間待たされました。そのように、何とかしたくても自分の力ではどうすることもできない、ただ待つしかない、ということが人生にはあるものです。そんな時、目に見えない神様に信頼して待つよりも、つい、目に見える、目の前のものに安心を得ようとすることもあるかもしれません。
シメオンとアンナが置かれていた状況も、とても苦しいものでした。ユダヤの人々は国を失い、数百年間大国の支配下に置かれ続け、虐げられていました。それでも彼らは、神の約束を信じて待ち続けていたのです。「彼は望み得ない時に望みを抱いて信じ、」(ローマ4:18)神の約束を信じて、約束の子が与えられることを待ち続けたアブラハムの姿が思い起こされます。私たちも、希望を捨てずに「忍耐して待つ」ということを心掛けたいと思います。

3)シメオンとアンナの信仰に教えられること
望み得ないような状況にあって、シメオンとアンナはどうして待ち望むことができたのでしょうか。彼らの信仰に学ぶこととして、3つのことに目を留めたいと思います。

①一つ目のことは、「主を喜びとする」ということです。彼らは心から神を喜んでいました。状況はどうあれ、神につながっていること、自分が神のものとされていることを何よりも大きな喜びとしていたのではないでしょうか。神は絶対に私を見捨てることはないと確信していたと思います。そこに平安がありました。私たちも、救い主イエス様に出会わせていただいて、神様との関係に入れていただきました。神様は、私たちを絶対に見捨てることはありません。私たちの手を握り続けてくださっています。このことを信じて、神のものとされていることを何よりも大きな喜びとしたいと思います。

②次に二つ目のことは、「日々の恵みに感謝すること」です。シメオンもアンナも、神様から毎日どんなにすばらしい恵みを受けていたかよく分かっていたと思います。そして感謝をささげていました。日々の糧、神様の守り、知恵や平安が与えられることもすべて神様の恵みです。確かに、願っても与えられないものもあります。しかし、それ以上に多くのものが与えられているのではないでしょうか。そこに目を向けたいと思います。無いことを嘆くのではなく、今与えられているものに感謝することです。自分の人生を振り返る時に、実に神様はこんなにも与えてくださっていたではないか。こうしてここまで守られてきたではないか。ああ主よ、感謝します!と思うのです。「主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな」(詩篇103:2)日々神様から豊かにいただいている恵みを覚えて、心からの感謝をおささげしたいと思います。

③そして三つ目のことは、「祈りの生活を大切にする」ことです。アンナは、「夜も昼も、断食と祈りをもって神に仕えて」いました。彼女は本当に「祈りの人」でした。「祈る」とは、「神様に呼びかける」ことです。何でも正直に神様の前に持っていくことです。神様は、私たちの祈りを喜んで聞いてくださいます。そして、みことばと聖霊を通して私たちに答えてくださいます。祈りの生活を大切にして、神様につながっていることを常に確認していきたいと思います。

神様は、ひとり子をお与えになったほどに私たちのことを愛しておられます。私たちのことを決して見捨てることはなさいません。日々、豊かに恵みを注いでくださっています。ここに、私たちの確かな希望があります。今年一年、神様から受けた恵みを数えて感謝をおささげしましょう。そして、私たちに与えられているこのすばらしい希望をしっかりと心に抱いて、迎える新しい年もイエス様と共に歩み続けてまいりたいと思います。