主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

詩篇139:1-6,13-16 「愛されるために」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。」(ヨハネの福音書3:16)

【礼拝メッセージ要旨】

本日は召天者記念礼拝です。先に召された、愛する方々を偲びながら聖書の言葉に心を留めてまいりたいと思います。

1)全知の神
私たちはいつか死を迎える時がきます。私たちが死んだあと、もし誰にも顧みられることもなく、人々の記憶から忘れ去られてしまうとしたら寂しく思われます。しかし、私たちの人生のすべてを完全に覚えておられる方がおられます。それは聖書に記されている神様です。
「主よ あなたは私を探り 知っておられます。」(1)、「あなたはわたしが歩くのも伏すのも見守り、私の道のすべてを知り抜いておられます。」(3) 神様は私たちのすべてをご存知です。私たちは、神様に知られているのです。

2)造り主なる神
それでは、神様はどうして私たちのすべてを知っておられるのでしょうか。「あなたこそ 私の内臓を造り 母の胎の内で私を組み立てられた方です。」(13) それは、神様が私たちを形造り、命を与えてくださったからです。創世記1章に神の創造の御業が描かれています。天地万物、すべての生き物、そして私たち人間も、創造主なる神様によって造られたとあります。
満点の星空を見上げる時、この広大な宇宙を造られた偉大な神様のことを思います。また、自分の小ささに気づかされます。聖書にある通り、確かに自分はこの大きなお方によって造られ、生かされているのだと実感するのです。天地万物を造られた大きな神様が、目的を持って私たち一人ひとりを造り、命を与えてくださいました。私たちは偶然生まれ出てきたのではありません。

3)愛されるために
このように、私たちにいのちを与えてくださったお方が私たちのすべてを知っておられるというのです。では、神様が私たちを「知っている」とは、どういうことなのでしょう。それは、ただ単に知っているということではありません。「いとおしいほどまでに私たちのことを覚えておられる、心配している、愛しておられる」ということではないでしょうか。
我が家では今、ハムスターを1匹飼っています。とても小さな生き物です。それでもとてもいとおしく思います。元気に動いている姿を見ては嬉しくなり、ちょっと元気がないと心配になります。そんな小さな生き物でさえも、それほどいとおしいのです。まして、私たちに命を与えてくださったお方は、どれほど私たちのことを心配し、愛しておられることでしょう。神様は、私たち一人ひとりを、丁寧に心を込めて造られたのではないでしょうか。言わば、神様の「ハンドメイド」です。私たち一人ひとりがかけがえのない、神様の「最高傑作」なのです。そして、この世に送り出してくださいました。神様は、私たちのことを本当にいつくしんでおられます。
「きみは愛されるため生まれた」というワーシップソングがあります。「君は愛されるため生まれた 君の生涯は愛で満ちている」とても励まされるすてきな賛美です。「あなたは愛されるために生まれてきたのだよ」と、神様は私たちを励ましておられるように思います。私たちは一人ひとり、神様に覚えられ、愛されているのです。

「あなたの目は胎児の私を見られ あなたの書物にすべてが記されました。」(16)私たちが造られた時に、神様の書物(台帳)に私たちの名前が刻まれました。私たちの人生の記録がすべて記されている、覚えられている、ということです。神様は、この小さな私たちのことをも、間違いなく覚えていてくださるのです。本当に感謝なことですね。

4)ひとり子をお与えになったほどに
「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。」(ヨハネ3:16) ここに、神様が私たちのことをどれほど愛しておられるか、ということが表わされています。「ひとり子をお与えになったほどに」愛された、というのです。「ひとり子」とは、「かけがえのない、たった一人の子」のことです。その大切なたったひとりの子を、神様は「世」つまり私たちに与えてくださったのです。これは、神様が私たち人間のために一番大事なものを差し出してくださった、ということを意味しています。その一番大事なものとは、神のひとり子である「イエス・キリスト」のことです。神であるイエス・キリストが人としてこの世界に来られ、人の罪をすべて代わりに負って、十字架で神の裁きを受けてくださいました。神様はそれほどまでに、私たち一人ひとりのことを愛してくださいました。
先に召された、私たちの大切な人々ももちろんそうです。神様は一人一人を愛し、その人生に寄り添い、豊かに恵みを与えてくださいました。お一人お一人が神に愛され、導かれて、与えられた人生を精一杯歩まれました。そして神様は、ご自身の定められた一番よい時に天に引き上げてくださいました。このことを心に留めて、感謝をおささげしたいと思います。

故人と一緒に過ごしたすばらしい日々を忘れずに、思い出を大切にして、私たちも、この神様に希望を置いて、生かされている日々を、精一杯歩んでまいりましょう。