主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

列王記第一11:1-13 「主に従い通す」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「こうしてソロモンは、主の目に悪であることを行い、父ダビデのようには主に従い通さなかった。」(列王記Ⅰ11:6)

【礼拝メッセージ要旨】

ソロモンは、神の知恵によってイスラエルを治め、平和と繁栄の時がもたらされましたが、人生の晩年になって彼の心は主から離れてしまいます。今日の個所には、そんなソロモンの残念な姿が描かれています。

1)ソロモンの失敗
ソロモンは多くの外国人の妻たちを迎え入れます(1,2)。そのことが、ソロモンにとって大きな「落とし穴」となっていきました。それはモーセの時代から神がイスラエルに禁じていたことでした。ソロモンはその戒めを知っていたはずです。しかし彼は、外国人の女性たちを妻として招き入れたのです。「その妻たちが彼の心を転じた」(3) その結果、彼女たちの影響を受けてソロモンの心は他の神々の方へ向けられていきました。そしてついに異教の神々に従うようになります。彼の心が「主から離れて」(9)しまいました。造り主である全能の神を、人の手によって造られた神々と同列に引き下げてしまったのです。ソロモンは「主に従い通す」ことができませんでした(6)。

2)その原因
ソロモンの心が主から離れてしまった原因はどこにあったのでしょうか。大きく2つの原因があったと思います。
①一つは、「高ぶりがあったこと」です。彼は、神によって大いに祝福されました。知恵も富も名誉もすべて与えられて、いつしか彼の心に、「自分の力で何でもできる」というような思いが出てきたのではないでしょうか。自分の力を過信するようになったようです。そんな「おごり高ぶり」が、正しい判断を鈍らせてしまうことにつながりました。ソロモンは、近隣諸国と良い関係を持つために政略結婚を積極的に進めます。イスラエルの平和と繁栄のためなら、多少の律法違反は許されると、それを正当化したようです。私たちも気をつけたいことです。特に、褒められた時や、祝福されていると思えるような時は「要注意」ですね。

②もう一つの原因は、「誘惑に負けてしまった」ということです。彼は外国人の妻たちに誘惑されてしまい、神を第一とはできませんでした。彼女たちの要求を少しずつ許容するようになって、ついには自分も異教の神々に従うようになってしまったのです。彼は誘惑を退けることが出来ませんでした。

3)イスラエル王国の分裂へ
そんなソロモンに、神は怒りを発せられます(9)。主の二度に渡る警告を聞くことが出来ませんでした。その結果、大きな代償を払うことになります。イスラエル王国は2つに分裂することになってしまいます(11)。それがソロモンの息子のレハブアムの時代に実現します。そうして、神の祝福を受けて繁栄の時代を築いたイスラエル王国は、この時から衰退へと向かうことになります。

4)誘惑の恐ろしさ
このソロモンの姿を通して、私たちは「誘惑の恐ろしさ」を教えられるように思います。そこで次に、「誘惑」について考えてみたいと思います。私たちの周りにも、神から心を引き離そうとする「誘惑」が多くあります。私たちは常にいろんな誘惑にさらされているのです。
「誘惑」には、2つの種類の誘惑があると言えます。一つは「サタンの誘惑」(外から誘いかける誘惑)です。サタンは、私たち人間を神から引き離そうとして、あらゆる手を使って私たちの心にささやきかけ、誘惑を仕掛けてきます。それは非常に巧妙で、実に魅力的に思えることす。
もう一つは「欲望による誘惑」(自分の内側から起こる誘惑)です。「人が誘惑にあうのは、それぞれ自分の欲に引かれ、誘われるからです。」(ヤコブ1:14) 人は自分の欲望によって誘惑されます。自分にも責任がある、ということを心に留めたいと思います。私たちは、誘惑されないように気をつけなければなりません。

5)誘惑を退けるために ~その秘訣~
では、そうした誘惑を退けるために(誘惑に負けないように)、私たちはどうすればいいのでしょうか。最後に、その秘訣として2つのことに目を留めたいと思います。
①一つ目のことは、「イエスから目を離さないこと」です。「信仰の創始者であり完成者であるイエスから、目を離さないでいなさい」(ヘブル12:2) イエスから目を離してしまう時に大事なことを見失ってしまいます。イエス様が、私たちの罪のために十字架で命をささげてくださった、その大きな愛と恵みを忘れないでいたいと思います。そして、今も生きて私たちを愛し、私たちと一緒に歩んでくださるイエス様をいつも見つめて、信頼して歩み続けていきましょう。

②もう一つのことは、「祈り続けていること」です。「誘惑に陥らないように、目を覚まして祈っていなさい。霊は燃えていても肉は弱いのです。」(マタイ26:41) 私たちは、本当に誘惑に弱い者です。自分の力で誘惑を完全に退けることはできません。祈りによる神の助けが必要です。自分が弱い者であることを忘れないようにしたいと思います。そして、誘惑に陥ることのないように祈り続けてまいりましょう。

このソロモンの姿を通して、神様は私たちに、「あなたは最後までわたしに従い通しなさい」と励ましておられるように思います。地上生涯の最後まで、イエス様に従い通す生き方をしたいですね。イエスから目を離すことなく、いかなる誘惑も退けて、最後までイエスに従い続けるものとなりたいと思います。