主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

ルカ1:5-25, 57-66 「神のいつくしみにより」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「主はいつまでも見放してはおられない。たとい悩みを受けても、主は、その豊かな恵みによって、あわれんでくださる。(哀歌3:31,32)

【礼拝メッセージ要旨】

今日は、アドベントに関連して、バプテスマのヨハネの両親となった、ザカリヤとエリサベツの姿に目を留めたいと思います。

1)ザカリヤ夫妻の悲しみ
ユダヤの王ヘロデの時代、ユダヤの人々はローマ帝国の支配下に置かれる中で、神が約束された救い主メシヤの到来を待ち望んでいました。この時、ザカリヤは祭司として名誉ある務めを担っていました。妻のエリサベツも名門アロンの家系で、夫婦で敬虔に神に仕えていましたが、彼らには一つ、大きな悲しみがありました。それは、子どもに恵まれずに老年を迎えていたことです。跡継ぎとなる子のいない寂しさ、周囲の目、そうしたことがザカリヤ夫婦にとって大きな悩み、苦しみとなっていたようです。それでも彼らは、それも神のみこころと受け止めて、自分たちにできることを精一杯やっていたのだと思います。私たちの人生においても、どんなにがんばっても自分ではどうすることもできないことがあります。そんな時、「それもみこころ」と受け止めて、その状況を受け入れていくことも大事なことです。そして、すべてをご存じの全能の神様にお委ねしたいと思います。

2)突然もたらされた喜びの知らせ
ある時、ザカリヤの組が神殿で奉仕をすることになり、くじによって、神殿で香をたくという一生に一度あるかないかの光栄な奉仕を、ザカリヤが担うことになりました。彼が香をたいていると、御使いが現われて、妻エリサベツが身ごもって男の子を産み、ヨハネと名付けるようにと告げられます。その子は民を主に立ち返らせるエリヤのような存在になるというのです。大きな喜びの知らせです。しかし彼は、そのことばを信じることができず、しるしを求めます。その結果、ザカリヤは口がきけなくされてしまいました。

3)エリサベツの懐妊とヨハネの誕生
その後、エリサベツはみごもり、月が満ちて、男の子を出産します。その8日目にその子に名前を付けることになった時、集まった人々は慣習に従って父の名をつけようとしますが、両親はそれを拒んで、御使いに告げられた通り「ヨハネ」(主はいつくしみ深い)と命名します。彼らは、慣習にも人々の声にも流されず、神様に従ったのです。ここに二人の信仰が表れていると思います。こうしてヨハネはザカリヤ夫婦のもとで育てられ、やがて救い主キリストを迎えるための道備えをすることになります。

4)神のいつくしみにより
このところから最後に2つのことに目を留めたいと思います。
一つは、「神様はいつくしみ深いお方である」ということです。神様は、ザカリヤ夫婦のことを覚えておられました。彼らの悩み苦しみもご存じで、彼らの祈りを聞いておられて、ヨハネを与えられました。それは、イスラエルの民全体に対するあわれみでもありました。神様は、何百年にも渡って大国の支配下に置かれていた彼らの苦しみをご存じで、彼らを深くあわれまれて、ご自身が定めた時に神のひとり子イエス様を人としてお遣わしになられたのです。「主はいつまでも見放してはおられない。たとえ悩みを受けても、主はその豊かな恵みによって、あわれんでくださる」(哀歌3:31,32)これは、バビロン捕囚の悲惨を経験した時にエレミヤが語ったことばです。この預言の通りに主はイスラエルをあわれみ、やがてイエス・キリストが彼らの子孫として生まれてきます。この神様の深いあわれみと恵みは、国を越え、時代を越えてすべての人に注がれています。神様は私たちをいつくしんで、私たちを罪から救うためにイエス様を遣わしてくださいました。これが「クリスマス」です。

5)信じ切る信仰
もう一つのことは、「神の約束を信じ切る」ということです。ザカリヤは神の約束を、ちょっと疑いました。私たちはどうでしょう。神の約束は必ず実現すると心の底から信じているでしょうか?「神は、イエスによって、信じる者を罪から救ってくださる」と神様は約束されました。イエス様を信じる私たちは、確実に救われているのです。何者もイエスの愛から私たちを引き離すことはできません。このことを確信したいと思います。「主によって語られたことは必ず実現すると信じ切った人は、何と幸いなことでしょう」(1:45)

そのように、私たちも、神の約束を信じ切る信仰に立ちたいと思います。そして、私たちの救い主として来てくださったイエス様に心から信頼して、お従いしてまいりましょう。