主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

ルカ1:26-56 「あなたが必要なのです」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「わがたましいは主をあがめ、わが霊は、わが救い主なる神を喜びたたえます。主はこの卑しいはしために目を留めてくださったからです。(ルカ1:46-48)

【礼拝メッセージ要旨】

今日は、マリヤに御使いが現われて、受胎告知がなされる場面から思いを巡らしていきたいと思います。

1)神はマリヤに目を留められた
神様は、救い主の母となる女性として「マリヤ」に目を留められました。彼女は、ガリラヤ地方のナザレという小さな貧しい田舎町に暮らす、婚約中のうら若い女性でした。エルサレム近郊に暮らしていた老齢のエリサベツとは、社会的な立場も、人生経験も随分対照的でした。人間的に見れば、エリサベツの方が安心して任せられるようにも思えます。しかし神様は、人の目には「小さい」と思われたマリヤを救い主の母として選ばれたのです。

2)マリヤへの御告げ
このマリヤに、ある時、神の御使いガブリエルが現われて、驚くべきことが告げられます。まだ結婚していないマリヤがみごもって子どもを産む。しかも、その子はただの人ではない、昔から預言されてきたイスラエルの「救い主」(メシヤ)となるお方だというのです。マリヤはそのことを理解したと思います。しかし、自分のお腹からその子が産まれてくることは受け入れがたいことでした。御使いは、神の力によってみごもること、そして親戚のエリサベツが高齢にもかかわらず身ごもっていることを告げます。「神にとって不可能なことは一つもありません」(37)

3)マリヤの応答
この御告げを、マリヤはどのように受け止めたでしょうか。イスラエルの民を救う救い主が今遣わされる、ということは喜んだと思います。しかし、自分の身に起こる現実的なことを考えれば、不安もあったでしょう。それでも彼女は、「神様は今、この自分を必要とされている」と受け止めたのではないでしょうか。神様は、この私を用いて、神様の大きなご計画をなさろうとしていて、それにどう答えるか問われている、と受け止めたのだと思います。神様は、このマリヤに「他の誰かではない、あなたが必要なのです」と言われました。そして彼女は覚悟を決めます。「どうぞ、あなたのおことばどおりこの身になりますように」(38)神様は、マリヤのこの応答を待っておられました。このマリヤだからこそ、神様は選ばれたのではないでしょうか。

神様は、私たちにも「あなたが必要なのです」と言っておられるように思います。人にとって一番辛いことは、自分は誰にも必要とされていないと感じることだと言われます。しかし神様は、私たちのことを決して忘れてはいません。私たちのことを覚えて、目を留めておられるのです。それは本当に感謝なことです。この神様の問いかけに、ぜひ、「どうぞこの私を、あなたのご用のためにお用いください」と答えたいと思います。そして、普段の生活の中で、自分にできる一つ一つのことを喜んでなしていきたいと思います。

4)支え合う仲間
このあと、マリヤはエリサベツのもとを訪ねます。家の仕事をすべて置いて、100キロも離れた距離を急いで会いに向かいました。なぜそこまでしてエリサベツに会いたかったのでしょうか?自分と同じような境遇を先に経験した彼女に会って、安心したいという思いがあったのかもしれません。マリヤは、自分を理解してくれる「心の支え」となる人を必要としたのだと思います。そんなマリヤを、エリサベツは歓迎して迎えます。「主によって語られたことは必ず実現すると信じきった人は、何と幸いなことでしょう」(45)エリサベツとの交わりによって、マリヤはどんなに励まされ、安心できたことでしょう。自分のことを理解してくれる人がいる、「支え合う仲間」がいる、ということは、本当にすばらしいことです。私たちに与えられている信仰の友、支え合う仲間を大切にして、共に祈り合ってまいりましょう。

5)マリヤの賛歌
そうしてエリサベツに励まされて、マリヤは神様に賛歌をささげました(46~55)。ここに、彼女の信仰と喜びがよく表されています。

私たちも、神様の前には本当に小さな者です。神様は、こんな小さな私たちを覚えておられて、私たちを助けるために大切なひとり子イエス様を与えてくださいました。神様は、私たちに一番大事なものを与えてくださったのです。それほどまでに、神様は私たちのことを愛しておられます。この大きな愛を覚えて、神様の恵みに応えてまいりましょう。