主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

ヨハネの手紙第一5:13-21 「真実な方のうちに」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「私たちは真実な方のうちに、その御子イエス・キリストのうちにいるのです。この方こそ、まことの神、永遠のいのちです。」(ヨハネの手紙第一5:20)

【礼拝メッセージ要旨】

今日はこの手紙の最後の個所となります。ヨハネは最後に、「気を付けるべきこと」を呼び掛け、勧めています。

1)永遠のいのちの確信
「これらのことを書いたのは、永遠のいのちを持っていることを、あなたがたに分からせるためです。」(13)イエスを神の御子と信じて、永遠のいのちを受けたことをしっかりと確信しているようにと、ヨハネは励ましています。私たちは、救い主イエス様を心にお迎えし、罪の赦しを受けて、神様との関係に入れていただきました。神様との交わりを持って、その愛と恵みを受けながら人生を歩めるようにされたのです。それは本当に感謝なことであり、素晴らしいことです。この確信を確かなものとして持ち続けていきたいと思います。

2)世は「悪い者」の支配下にある
一方で、「気を付けなければならないことがある」と、ヨハネは呼び掛けています。「私たちは神に属していますが、世全体は悪い者の支配下にあることを、私たちは知っています。」(19) この世は「悪い者」の支配下にある、というのです。イエスは十字架によって罪と悪に打ち勝ったと聖書は告げています。しかしこの世においては悪が完全に滅ぼされたわけではありません。イエスの再臨の時まで、サタンは活動することが許されていることも聖書は語っています。実際に今の世の中の現実を見ても、そのことが分かるのではないでしょうか。私たちの中に罪の性質が残されていることにも気づかされます。この現実があることをよくわきまえて気を付けなさいと、呼び掛けています。この世にあっては「罪との闘い」があるのです。サタンは、私たちを神から引き離そうと常に狙っています。そして、誘惑を仕掛けてきます。そのことをよくわきまえて、油断しないように備える必要があります。
ヨハネは、そのために私たちにできること、なすべきことがあるということを今日のところで語っています。では、私たちはどんなことを心に留めるべきでしょうか。今日の個所から3つのことに目を留めたいと思います。

3)祈り続けること
一つ目のことは、「祈り続けること」です。「何事でも神のみこころに従って願うなら、神は聞いてくださる」(14)、「私たちが願うことは何でも神は聞いてくださる」(15)これは、神が私たちの都合の良いように動いてくださるということではありません。神は、私たちがみこころを求めて祈ることを願っておられるということです。「神のみこころ」とは、「私たちが神の愛の中を歩み続けること」そして、「すべての人が罪から救われて、永遠のいのちを受けること」そのように言えると思います。そのために、まず私たちが「自分自身のために」祈り続けることが必要です。イエス様が教えられた「主の祈り」が思い起こされます。また、「人のために」祈り続けること(とりなしの祈り)も大切です。ヨハネは、「罪を犯している兄弟のために祈りなさい」と語っています(16,17節)。とりなしの祈りによって、その人が悔い改めに導かれ、神はその人にいのちを与えてくださいます。先に救われた者として、人々の救いのために祈り続けていきたいと思います。

4)神の守りがある
二つ目のことは、「神の守りを確信していること」です。「神から生まれた者がその人を守っておられ、悪い者はその人に触れることができないことを、私たちは知っています。」(18)神の御子は、神の子どもとされた私たちを悪い者から守ってくださいます。サタンは巧妙に罪への誘惑を仕掛けてきます。しかし、私たちに直接手を出すことはできません。「触れることができない」のです。このことを確信しているならば、安心できるのではないでしょうか。
「人が誘惑にあうのは、それぞれ自分の欲に引かれ、誘われるからです」(ヤコブ1:14) 私たちは自分の欲に引かれ、つい誘惑されてしまいます。それは私たちの責任です。そうした誘惑に会った時に、神様の守りがあることを信じて、助けをいただいて、サタンの誘惑をキッパリと退けたいと思います。

5)真実な方に信頼する
三つ目のことは、「真実な方に信頼する」ということです。「私たちは真実な方のうちに、その御子イエス・キリストのうちにいるのです。」(20) 私たちが信じているお方は「真実なお方」です。「真実な方」とは、「約束を守る」(契約を守る)ということを意味しています。神様が私たちに約束してくださったことは「あなたがたを祝福する」ということです。その約束は、神のひとり子が人としてこの世界に来られたことで実現しました。神は、これほどまでに不真実な私たちを愛し、真実を尽くしてくださったのです。私たちは、このお方との親しい関係に入れられて、神の子どもとしていただきました。この世の悪い者の中にいるのではなくて、私たちを愛してくださった真実なお方の中にいる、ということです。何と素晴らしいことでしょう。このことを覚えて、このお方に心からの信頼を寄せたいと思います。そして、神様との交わりを何よりも大切なこととして保ち続けてまいりましょう。

「子どもたち、偶像から自分を守りなさい」(21)ヨハネは最後に、こう呼びかけてこの手紙をしめくくっています。「偶像」とは、それを自分のよりどころとするもの、神に取って代わるもののことです。まことの神様から目を離させるものは、すべて偶像と言えます。そうしたものに惑わされないように、自分自身を守りなさいと命じています。そのためにも、今日確認した3つのこと、①祈り続けること、②神の守りがあることを信じて罪への誘惑を退けること、そして、③真実なお方に信頼することを、心にしっかりと留めて、普段の生活の中で実践していきたいと思います。