主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

創世記43:1-15 「覚悟を決める時」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「全能の神がその方に、あなたがたをあわれませてくださるように。そしてもうひとりの兄弟とベニヤミンとをあなたがたに返してくださるように。私も、失うときには、失うのだ。(創世記43:14)

【礼拝メッセージ要旨】

今日の箇所には、ヤコブが息子たちの説得を受けて大きな決断をしていくという出来事が描かれています。人生の中で何か大きな決断を迫られる時、私たちはどのように判断していけばいいのでしょうか。

1)父ヤコブへの報告
シメオンをエジプトに残して、兄たちは父ヤコブのもとに食料を持ち帰り、エジプトで起こったことを父に報告します。シメオンが帰らなかったことを知り、ヤコブは深く悲しみ、ベニヤミンをエジプトに行かせることを断固拒否します。長男ルベンの説得にも耳を傾けず、兄たちはエジプトに戻ることをあきらめざるを得ませんでした。その後も厳しいききんが続き、やがて買ってきた食料がなくなり、ヤコブは兄たちを再びエジプトに遣わそうとします。

2)ユダの説得
その時ユダが、ヤコブの説得を始めます。ベニヤミンを行かせないのならエジプトには行かないと、必死に父親に訴えました。それでも渋るヤコブにユダは、「私自身がベニヤミンの保証人となります」と言って、自分のいのちをかけてベニヤミンを連れ帰ることを約束しました。このところに、ユダの捨て身の覚悟が感じられます。ユダと言えば、かつてヨセフを商人に売った張本人であり、嫁のタマルの一件では大失態をしでかしました。しかし彼はその失敗を通して自分の罪を認めて悔い改めました。ここに、その変えられて人間的に成長したユダの姿があります。このユダの子孫としてイエス様が生まれてきます。

3)覚悟を決めるヤコブ
このユダの捨て身の説得により、ヤコブはついにベニヤミンを行かせることを決意します。この時のヤコブの祈り(14節)に彼の信仰が表わされています。彼は、「全能の神」と告白しています。神様が「全能」のお方であることを信じていました。そして、この全能の神にすべてを委ねました。「私も、失う時には失うのだ」たとえ二人の息子たちを失うことになったとしても、そこにも神のご計画があると信じて、覚悟を決めたのです。その結果、シメオンも、ベニヤミンも、そして死んだと思っていたヨセフも取り戻すことになります。この時にはヤコブに見えていなかった大きな祝福が用意されていました。「あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい」(Ⅰペテロ5:7)神様は私たちのことを誰よりも分かっておられて、心配してくださるお方です。全能の神様が最善をなしてくださると信じて、一切をお委ねしたいと思います。

4)「覚悟を決める」ということについて
私たちも、「覚悟を決める時」(信仰による決断を迫られる時)があります。そんな時、判断するためのポイントとなることについて、5つの点から確認したいと思います。
①1点目は、「みことば」です。みことばによる確信があるか、ということです。その際、自分の願いを裏付けるような箇所を探すような読み方はしないように気を付けましょう。自分の思いを手放して、素直にみことばを思い巡らすことです。そして、聖書に照らしてそのことが間違っていないか確認をしたいと思います。
②2点目は、「心の平安」です。心に平安があるかどうか、そのことを選択することで自分は本当にいいのか、幸せと言えるのか、よく祈って考えたいと思います。不安があれば、「待つ」ことも必要かもしれません。
③3点目は、「人」です。周りの人たちはどう見ているのか、客観的な視点から判断することです。信頼できる人からの助言も一つの見方となります。
④4点目は、「神様」です。当たり前のことですが、神様に真剣に相談して、祈って決断することです。自分と神様との間で、しっかりと確認をすることが最も大事なことです。
⑤そして5点目は、「自分自身」です。最終的に決めるのは自分自身です。自分の意思で決断するのです。当然、その結果起こることについては自分で責任を持つことになります。たとえ願ったようにならなかったとしても、人や神様のせいにしてはいけません。
こうしたことを心に留めて、その都度祈りながら、自分の行くべき道を確認してまいりましょう。

最後に一つ、大事なことを確認したいと思います。それは、神様も私たちのために大きな決断をされた(覚悟を決められた)ということです。父なる神様は、ひとり子イエス様を人としてこの世界に遣わされました。そして、イエス様は私たちを罪から救うために十字架に向かわれました。この決断は、私たちには計り知れないような、大きな決断であったと思います。
それほどまでに私たちは神様に愛されているのです。このことを絶対に忘れないでいたいと思います。そして、心からの感謝をもって、このお方にお従いしてまいりましょう。