主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

創世記17:1-10「あなたの神となる」    齋藤牧師

【礼拝メッセージ要旨】

アブラムにサライの女奴隷によって待望の子イシュマエルが生まれてから13年後、神様は再びアブラムに現われて語り掛けました。

1)「契約」について
「わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に立てる」(2)ここに「契約」という言葉が出てきます。一般的に契約においては、当事者双方が契約の内容に合意をして、それぞれに果たすべき義務を負う、ということがなされます。また、契約違反の時の罰則が伴います。神様も、人間と「契約」を結ばれました。これまでもエデンの園でアダムと結んだ契約、ノアと結んだ契約がありました。

2)アブラムと結ばれた契約
では、アブラムと結ばれた契約とはどんな内容だったでしょうか。今日の箇所に神様が彼に約束されたことが4つあります。①あなたの子孫をおびただしく増やす(2)。②あなたは多くの国民の父となる(アブラハムと改名)(4)。③カナンの地をあなたとあなたの子孫に永遠の所有として与える(8)。そして、④わたしはあなたの神となる(7)。というものです。
特に4つ目の「わたしはあなたの神となる」という約束は、神様が私たちと個人的な関係を結びたいと切に願っておられることを意味しています。神様は、「あなた」と一対一の関係で「あなたを祝福したい」、と願っておられるのではないでしょうか。そのために、一人一人が意思をもって神様が与えてくださる契約に合意すること(受け入れ、応答すること)を求めておられます。別な見方をすれば、「あなたとってわたしは、本当に「あなたの神」となっているのか?」と問われているようにも思います。

3)アブラハムに求められたこと
アブラハムにこれらの祝福の約束が与えられた時、主は2つのことを彼に求めました。一つは、「あなたはわたしの前を歩み、全き者であれ」と命じたことです。しかし、これは祝福を受け取るための条件ではありません。人は不完全で不真実なものだからです。ただ、恵みを受けている者として、信仰によって応答することが期待されています。もう一つのことは、「割礼」を受けることでした。主は、これを「契約のしるし」として受けるように命じました。体に刻むことによって、それを見るたびに神様の祝福の約束を思い起こすためです。しかしこれも、祝福を受けるための条件ではありません。
主はこれらのことを告げた後、妻のサラによって一人の男の子を与えるとアブラハムに約束されます。最初彼はその言葉を信じられずに「笑い」ますが(イサクと命名)、彼はその契約を受け入れて、その日のうちに一緒にいたすべての男子と共に割礼を受けました。

4)「契約」に表わされた神様のみ思い
神様がアブラハムと契約を結ばれたという出来事には、私たち人間に対する神様の熱い思いが表わされています。それは、アダムの時から神から離れてしまった人間が神との関係を回復し、神につながって生きることを望んでおられるということです。そのために、アブラハムを選んで、彼の子孫(イスラエル人)を起こし、彼らを通してすべての民族の人々を罪から救い出して神のもとに招き入れる、というご計画を立てられました。アブラハムに示された「地上のすべての民族は、あなたによって祝福される」(12:3)という約束は、このことを示しています。
このアブラハムに与えられた契約は、やがてキリストによる「新しい契約」として成就することになります。ヨハネ3:16には、この「新しい契約」のことがよく言い表されていると思います。神様は、神から離れた人間のことを本当に愛し、何とかして罪から救い出し、ご自分のもとに招き入れようとして神のひとり子イエス様をこの世界に遣わしてくださいました。御子イエス様は、私たちの罪を負って、私たちの罪の償いをしてくださいました。私たちには負いきれない契約違反の罰則を神様ご自身が引き受けてくださったのです。そのイエス様を信じる者はみな、罪赦され、「永遠のいのち」を受けるというのです。「永遠のいのちを受ける」ということは、言い換えれば「わたしはあなたの神となる」ということです。これが、神様がすべての人に与えてくださった「新しい契約」です。
私たち人間に対する神様のご愛と約束は昔から変わっていません。私たちは神様に対して不真実なものです。しかし神様は、そんな私たちに対して、どこまでも真実なお方で、約束を守られるお方です。
今、私たちには、アブラハムに与えられた契約につながる「新しい契約」が与えられています。神様は、すべての人がこの約束を信じて、永遠のいのちを受けることを望んでおられます。この約束を受け取るための交換条件はありません。ただ、この神様の愛を信じ、私たちを罪から救うために来てくださったイエス様を「私の神様」として信じて、この約束を受け取ればいいのです。

感謝をもって、この祝福の約束を受け取りたいと思います。そして、この神様の大きなご愛に答えて、イエス様と共に歩んでまいりましょう。