主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

創世記8:1-5,14-22「箱舟から出なさい」    齋藤牧師

【礼拝メッセージ要旨】

箱舟は完成し、ノアと彼の家族は神様に告げられた通りに箱舟に入ります。やがて大雨が降り出して、地上は水で覆われていきました。今日は特に、箱舟の中にいたノアの心境を想像しながら、ノアの視点からこの出来事を見ていきたいと思います。

1)大洪水の中でのノアの思い
40日40夜大雨が降り続き、150日間水が増え続けました。この時、ノアはどんな思いで箱舟の中にいたでしょうか。箱舟の中は安全であったとしても、ノアは不安でいたと思われます。神様は彼に洪水がいつ終わるのかは告げていませんでした。先が見通せない不安がありました。備蓄している食料はみるみる減っていきます。ただ祈って待つしかありません。
私たちも、思いがけない試練や困難の中に置かれる時があります。突然、暗く長いトンネルの中に入ったようになって、出口が見えなくなる時です。そんな時は、困難が過ぎ去るのを待って、じっと耐えるしかありません。

2)心に留められる神様
そんな私たちを、神様はどんな思いで見ておられるでしょうか。神様は、ノアと生き物たちのことを「心に留めて」おられました(1)。箱舟の中にいた一人一人のことをしっかりと覚えてくださっていたのです。しかも、人だけではありません。他のすべての生き物たちのこともです。私たちがどんなに困難な状況に置かれていようとも、神様は私たちのことを心に留めてくださっています。決して見捨てるようなことはなさいません。大洪水の中でノアたちが守られたように、私たちのことを試練の間もしっかりと守ってくださっているのです。

3)箱舟の中でノアがしたこと
大雨が降り始めてから150日後に水は引き始めます。ノアは烏を放ち、次に鳩を放って外の様子を調べました。最後に鳩が戻ってこなかったことで、水が完全に引いたことを知ります。しかしノアは、すぐに外に出ようとはしませんでした。神様からのゴーサインを待っていたからです。彼は自分の思いでは動きませんでした。私たちも、祈って神様のみこころを確認して行動することを大切にしたいと思います。

4)箱舟から出なさい
大雨が降り始めてからちょうど一年後、ようやく地は乾き切りました。その時に、「箱舟から出なさい」という神様の声を聞きます。いよいよ箱舟から出る時がやってきました。これが、神様が備えてくださった一番良い時であったのだと思います。
私たちが出会う試練や困難も終わる時がやってきます。そこから解放される時、回復の時が必ず来るのです。神様がその時を備えてくださっています。このことを信じて、神様の時を待ちたいと思います。

5)契約の虹
ノアと彼の家族が箱舟から出て、やるべきことはたくさんありました。しかし、ノアが最初にしたことは神様を礼拝することでした。この一年間、箱舟の中で守られてきたことへの感謝をささげました。この時神様は、「人の心の思い計ることは初めから悪であるから、決して滅ぼすことはしない。」(21)と言われました。神様は、人の中にある悪(罪の性質)はなくなることはないと分かっておられて、それでも彼らを見捨てないと言われたように思います。ここに、私たち人間に対する神様のあわれみが表わされています。
「生めよ。ふえよ。地に満ちよ」(9:1)神様は彼らを祝福しました。そして、もう二度と大洪水で地を滅ぼすことはしないと、約束をしてくださいました。そして、そのしるしとして「虹」を見せてくださいました。この神様の約束は、その後、イエス様の十字架によって実現しました。神様は、イエス様によって人を罪から救う道を開いてくださったのです。
ノアの箱舟の出来事には、私たちに対する神様の大きな愛と、イエス様の十字架につながる神様の救いのご計画が表わされています。このことを覚えて、感謝をおささげしましょう。