主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

創世記6:9-22「箱舟に入りなさい」    齋藤牧師

【礼拝メッセージ要旨】

セツから9代目の子孫にノアが生まれます。6章から9章にかけてノアの箱舟の出来事が記されていますが、今日は6章から、特に「ノアの箱舟の意味」と「ノアの信仰」について考えたいと思います。

1)人の悪と神の悲しみ
「ノアは、正しい人であって、その時代にあっても、全き人であった」(9)ノアの時代、人々は神の前に堕落し世は人の悪で満ちていました。セツの子孫は神様を呼び求めることを始めていたはずなのに、代を重ねるにつれて神様から離れていったようです。このことは、人間の罪の姿の現実を物語っているように思われます。その後の歴史の中で、人間は繰り返し争いを繰り広げてきました。先の世界大戦では、6年間に世界で8千万人もの人々が犠牲になったと言われます。それらはすべて人の意志と力によってなされたことです。もっと身近なところでは、私たちの中にも、自己中心の思いや、人を赦せない思いがあることに気づかされるのではないでしょうか。
神様は、そんな人間たちの姿をご覧になって、「地上に人を造ったことを悔やみ、心を痛められ」ました。それは、神様が人の罪をとても悲しまれ残念に思われた、ということです。そして、人の悪のゆえに人も他の地上の生き物も消し去る、と言われました。そして大洪水がもたらされることになります。私たちは、神様がなされた洪水の出来事をどう理解し、受け止めればいいのでしょうか。このことは、羊飼いのもとから迷い出た羊が生きていけないように、神様から離れた人間が罪のゆえに滅びに向かっている事実を表しているように思います。そのままでは、人は神様から離れたままで終わってしまう(必ず死を迎える時が来る)、ということです。しかし神様は、滅びに向かっている人間を放ってはおかれませんでした。そして、ノアに目を留められました。

2)ノアの箱舟が意味すること
神様はノアに命じて、箱舟を造らせます。全長130m、幅20m、高さ13mにもなる巨大な箱舟です。そして、ノアの家族と他のすべての生き物をつがいで連れて箱舟に入ることを命じました。神様はどうしてノアに箱舟を造らせたのでしょうか。罪によって滅びに向かっている人間を何として救いたいと願われたからです。人間と他の生き物を、人の悪が満ちた世界から救い出すために神様が用意されたもの、それがノアの箱舟であったのだと思います。そして「この箱舟に入りなさい」と、彼らを招き入れてくださいました。
今、この神様のみ思いは、イエス様の十字架によって実現されました。罪のために滅びに向かっている人間を救い出すために、父なる神様は、神の御子イエス様をこの世界に遣わしてくださいました。イエス様は、すべての人の罪をその身に負って十字架で神の裁きを代わりに受けてくださいました。今、神様は、すべての人に、「イエスの十字架を信じて罪から救われなさい」と呼びかけて、救いへと招いておられます。

3)ノアの信仰
「ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行なった」(22)ここに、ノアの信仰が表わされています。具体的に3つの点を挙げたいと思います。第一に、彼は神様の声を聞きました。周りの状況や人の声や自分の思いに惑わされないで、神様の声をしっかりと聞くことができました。第二に、彼は神様のことばを信じました。ノアに告げられたことは、とても信じられないようなことでした。それでも彼は、神のことばを信じました。第三に、彼は神様のことばに従いました。彼はさっそく命じられた通りに箱舟を造り始めます。それだけ大きな船を建造するには、相当な資金と労力と時間を必要としたはずです。彼の全財産を投じて、家族8人で力を合わせて、何年もかけてあきらめずにコツコツと造り続けたことと思います。その間、周りの人々からの嘲笑や妨害もあったでしょう。それでも彼は、人々に証しをしながら、神のことばを信じて造り続けたのではないでしょうか。
私たちも、それぞれ置かれているところで、神様に期待されていることがあると思います。それは決して大きなことではなくて、普段の生活の中で私たちがやっていることなのだと思います。ノアのように神様に全幅の信頼を寄せて、神様とともに歩み続けてまいりましょう。