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創世記24:1-27「忠実なしもべとして」    齋藤牧師

今日の箇所には、アブラハムが140歳の時、息子イサクの妻となる女性を探しに一人のしもべを遣わす、という出来事が描かれています。今日は特に、このしもべの姿に学びたいと思います。

1)しもべに与えられた使命
ある時、アブラハムは信頼を寄せていた最年長のしもべを呼んである使命を与えます。その使命とは、アブラハムの生まれ故郷に行って息子イサクのために妻を迎える、ということでした。その条件として、もしその女性がこの地に嫁いでくることを拒んだ場合、イサクをそこに連れ帰ってはならないと告げられます。アブラハムは、神の約束に従って、イサクがカナンの地を受け継ぐことを譲れない条件としたのでした。しもべは、主人から託された使命をしっかりと受け止めて、主人のために喜んで従ったと思います。

2)しもべの祈り
しもべは10頭のらくだを引き連れて、アブラハムの親族の暮らすナホルの町を目指して旅に出かけました。カナンから数百キロ、おそらく3週間ほどの道のりであったと思われます。ようやくのその町に着いて、彼は町の外の井戸のところに向かいます。彼はどのようにしてその女性を探し求めたでしょうか。主人のアブラハムからは、「自分の生まれ故郷(親族)から」ということ以外、具体的なことは一切告げられていませんでした。
しもべはまず神の導きを求めて神に祈りました。彼は具体的に祈っています(14)。彼の祈りの中に2つの条件が示されています。一つは彼のために水を飲ませてくれることです。でも、それは当時の習慣として当たり前のことであったようです。もう一つのことは、らくだのためにも水を汲んでくれることでした。10頭のらくだに水を飲ませることは相当大変なことであったと思います。しかも夕方の忙しい時間帯です。それを自分から申し出て、初対面の旅人のためにしてあげるということは、なかなかできることではなかったと思います。その条件を満たす女性は、親切で、働き者で、よく気の利く女性、ということになります。しもべは、この使命を受けた時から祈って備えてきて、こういう女性ということが心に示されていたのだと思います。具体的に祈り備えることで、ふさわしい時にそれがみこころだとしっかり受け止めることができるのではないでしょうか。

3)リベカとの出会い
しもべがこのことを祈り終わらないうちにリベカがやってきます。彼女は喜んでしもべが願った通りのことをしてくれました。リベカは見返りを求めずに心からそれをしてあげたのです。そんなリベカの人に仕える姿勢に、私たちも教えられるように思います。しもべは、この女性がその人ではないかと思ったことでしょう。あとは、彼女がアブラハムの親族であるかどうか確かめる必要がありました。しもべは彼女にお礼の品を渡して、「あなたはどなたの娘さんですか」と尋ねたところ、彼女がアブラハムの兄弟ナホルの孫娘であることが分かりました。主がしもべの祈りに答えて、リベカに出会わせてくださったのでした。しもべはその場で感謝の祈りをささげました。私たちも、神様が導いてくださったこと、祈りに答えてくださったことに、感謝の祈りをささげることを忘れないようにしたいと思います。

4)忠実なしもべとして
最後に、今日の箇所から、アブラハムとこのしもべの関係に目を留めてみたいと思います。アブラハムは信頼していたしもべに息子イサクの妻を探して連れてくる、という重要な使命を与え、彼は祈りながら忠実にその使命を果たしていきました。この関係は、神様と私たちの関係を表しているように思います。聖書は、クリスチャンは「キリストのしもべ」であると言っています。「しもべ」と言っても、奴隷のように強いられてこき使われるような関係ではありません。アブラハムのしもべのように家族の一員として迎えられて、愛され信頼されて、主人の全財産の管理まで任せられるような関係です。そのように神様は、私たちを信頼して大事な使命を与えてくださいます。そして、この地上で私たちを用いて神様のみこころをなそうとされるのではないでしょうか。「神は、みこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行わせてくださるのです。すべてのことを、つぶやかず、疑わずに行いなさい。」(ピリピ2:13,14)私たちの心に与えられる思いも、神様が与えてくださったものなのでしょう。それも「私たちのために神様が与えてくださった使命」なのかもしれません。

このしもべが喜んで忠実に主人に従ったように、私たちも、キリストの忠実なしもべとして、みこころを求めながら喜んでイエス様に従って行きたいと思います。