主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

マルコの福音書5:1-20 「主イエスの恵みをあかしする」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「あなたの家、あなたの家族のところに帰りなさい。そして、主があなたに、どんなに大きなことをしてくださったか、どんなにあわれんでくださったかを知らせなさい。」(マルコの福音書5:19)

【礼拝メッセージ要旨】

イエスの一行が乗った船が湖の向こう岸に着くと、そこである一人の男との出会いが待っていました。

1)悪霊につかれた男との出会い
イエスの一行が向こう岸に着くと、「汚れた霊」につかれた人が墓場から出てきてイエスを迎えます。彼は正気を失って、暴れるようなこともあったようです。彼は夜昼構わず叫び続けて、石で自分のからだを傷つけていました。彼は家族や町の人々からも顧みられることなく、たった一人で寂しい墓場に住みついていたようです。彼は本当に「孤独」でした。

2)悪霊たちの嘆願
「いと高き神の子イエスよ、~私を苦しめないでください」(7) 彼にとりついていた悪霊たちがイエスに叫びました。「悪霊」は、もともと神の御使いであったものが、ある時神に逆らい悪霊となったと言われています。彼らは、イエスが自分たちよりも力のある神の子であることを知っていました。イエスが誰か分かっていたのです。彼らはその人から出て行く代わりに、近くで飼われていた豚の群れに自分たちを送ってくださいとイエスに願い出ます。イエスはそれを許されて、悪霊たちは豚の群れに入っていき、その豚の群れは、崖を駆け下りて湖に入ってみなおぼれ死んでしまいました。そんな不思議な出来事が起こりました。

3)悪霊を追い出された男
一方、悪霊を追い出してもらった人は、着物を着て正気に返っていました。彼は悪霊から解放されて、自分を取り戻したのです。彼はイエスに出会って変えられました。そして、このあと彼は自分の家族のもとへと帰って行きます。そこで家族に迎えられて、安心して暮らしたことでしょう。どんなに嬉しかっただろうかと思います。

 この人は、イエスに出会って、癒されただけでなく、壊れていた関係が回復されました。まず、「神との関係」です。悪霊によって絶たれていた神との関係が回復されました。また、「人間関係」も回復されました。私たちは、人間関係の中で生きています。人は一人では生きていません。彼はその大事な人間関係も断たれていたました。しかし、イエスに出会って人との関係も取り戻しました。家族との関係も町の人々との関係も回復されたのです。イエスは、神様との関係を、そして、人間関係をも回復してくださるお方です。もし、修復が必要な関係があるとしたら、回復できるようにイエス様に祈り求めたいと思います。

4)ゲラサの人々の反応
では、この人がイエスに出会って、正気に返った姿を見ていた町の人々は、この出来事をどのように受け止めたでしょうか。人々は彼の姿を見て「恐ろしくなった」(15)とあります。彼が正気に返ったことを喜ぶどころか、恐ろしくなったというのです。人々はイエスに、この地方から出て行ってほしいと懇願します。自分たちにとって都合の悪いことが起こることを心配したようです。人々はイエスを受け入れることができませんでした。

 今の時代も、多くの人たちがキリストのことがよく分からないで拒んでいるという現実があります。今の生活が乱されたくないと考えるのかもしれません。かつての私もそうでした。しかし、やがてクリスチャンの方々との出会いや聖書を通して、それが誤解であることが分かりました。この世界を造られた大きな神様は、大切なひとり子イエス様を送ってくださったほどにこの私のことをも愛してくださっているとハッキリと分かったのです。それが分かった時、私の心は大きな喜びで満たされていきました。イエス様は、私たちに本当の喜びと平安をもたらしてくださるお方です。

5)主イエスの恵みをあかしする
最後に、イエスがこの正気に返った人に言われたことから少し考えてみたいと思います。彼はイエスのお供をしたいと願い出ますが、イエスは「あなたの家族のところに帰りなさい」と言われました。「家に帰って、受けた恵みをあかししなさい」と言われたのです。彼はその言葉に従い、何年かぶりで家に帰って、家族にイエスというお方が自分にどんなに大きなことをしてくださったか知らせました。さらに、町に出て行って、町の人々にも言い広めたのです。町の人々は、イエスを拒んだためイエスから話を聞くことはありませんでした。しかし、この人の話は聞いたのではないでしょうか。あの手の付けられなかった男が正気に返って帰って来たのです。彼のあかしを興味深く聞いたことでしょう。その中には、イエスを求めた人もいたと思います。
私たちも、今それぞれ置かれているところで、神様から受けた恵みをあかしすることができるのではないでしょうか。「私はイエス様に出会って、このように変えられました。私は今本当に喜んでいます。」そのように家族や周りの人たちに伝えられたらいいと思います。

では、私たちはどのようにあかしをすればいいのでしょうか。心に留めたいと思うことを3点ご紹介したいと思います。
①一点目は、「喜びがあること」です。私たちがイエス様に出会って救われて、本当に喜びがあるのなら、私たちの振る舞いや表情や言葉など通して、自然と周りに伝わるのではないでしょうか。
②二点目は、「自然な形であかしすること」です。義務的にとか、「ねばならない」という思いで証ししても、人の心に届きません。むしろ自然な形で、ふさわしい時に、イエス様から受けた恵みを伝えられたらいいと思います。
③三点目は、「毎週教会に来ることもあかしとなっている」ということです。私たちが喜んで毎週教会に通う姿を、家族や周りの人たちは見ています。そんな私たちの姿を見て、何か心に感じることがあると思います。それもイエスの恵みをあかしすることにつながっているのではないでしょうか。

自分にできるやり方で、イエス様から受けた恵みを周りの人々に伝えていきたいと思います。