主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

創世記46:1-34 「神の約束を信じて」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「わたし自身があなたといっしょにエジプトに下り、また、わたし自身が必ずあなたを再び導き上る。(創世記46:4)

【礼拝メッセージ要旨】

今日の箇所には、ヤコブが家族を連れてエジプトに向かい、念願かなってヨセフに再会する、という場面が描かれています。ヤコブは、どのような思いでエジプトに向かったのでしょうか。

1)ヤコブの心配
エジプトに向けてカナンの地を出発したヤコブ、しかし、彼の中には心配なこともあったようです。確かに、この厳しいききんの中でヨセフがエジプトの支配者になって家族を招いてくれている、それは願ってもない感謝なことでした。しかし、気がかかりなことがありました。一つは、神様の約束の地カナンを離れることへの不安でした。アブラハム、イサク、そしてヤコブ自身にも、主ご自身が「あなたとあなたの子孫にこの地を与える」と約束された特別な土地です。また、エジプトに向かうことへの一抹の不安も感じていたと思います。かつて、アブラハムはエジプトに逃れて痛い失敗を経験し、イサクも主からエジプトに下ることを禁じられました。また、ヤコブ自身が人生の最晩年になって、新たな土地で生活を始めることへの不安もあったことと思います。

2)ヤコブの祈り
ヤコブは「ベエル・シェバ」まで来た時に、主を礼拝し祈りをささげました。約束の地カナンを離れてエジプトに向かうことが本当に主のみこころにかなうことなのか、尋ねたのです。主は彼の祈りに答えます(3,4節)。ここに大事なことが3点示されています。①「エジプトに下ることを恐れるな」と告げて、②「わたし自身が一緒にエジプトに下る」と励まし、そして、③「必ずあなたを再び導き上る」と約束されました。「エジプトに行きなさい」との神様からのゴーサインが出されたのです。こうして、力強い約束の言葉をいただいて、ヤコブは励まされ確信を得て、エジプトに向かっていきました。

3)ヤコブとヨセフの再会
エジプトに行ったヤコブの家族は総勢66人、エジプトにいたヨセフの家族も含めて70人の大所帯です。これも神様の恵みでした。彼らは、エジプトの東の地ゴシェンに向かい、そこでヨセフと二十数年ぶりに感動の再会を果たします。ヨセフは父の首に抱きついて泣き続け、ヤコブは「もう死んでもよい」とまで言っています。それほどの大きな喜びがもたらされました。

4)神様の約束は変わらない
今日の箇所から教えられることとして、特に2つの点に目を留めたいと思います。一つは、「神様の約束は変わらない」ということです。主はヤコブに、「カナンの地を去ってエジプトに行きなさい」と、かつて告げていたこととは逆のことを告げました。神様は心変わりして約束を変えられたのでしょうか。そうではありません。「必ずあなたを再び導き上る」と約束されました。実際、このあと400年後、ヤコブの子孫はモーセに率いられてカナンの地に戻ってきます。確かに神様は約束を守られました。神様の約束は、決して変わることはないのです。

私たちにも、「永遠のいのち」というすばらしい約束を神様は与えてくださいました。救い主イエスを信じる者は永遠のいのちをいただく、という約束です(ヨハネ3:16)。私たちはイエス様につながって、神の子どもとされました。この約束は決して変わることがありません。取り消されることはないのです。どんな状況に置かれても、神様は私たちを決して見捨てることはなさいません。このすばらしい約束が与えられていることをしっかりと心に留めたいと思います。

5)地上では旅人であり寄留者である
もう一つのことは、「地上では旅人であり寄留者である」ということです。神様の約束は変わることはありませんが、そこに至る道のりは変わりうる(私たちには分からない)ということです。ヤコブは、130歳になって住み慣れた土地を離れて新しい土地で暮らすことになりました。カナンの地が終の棲家とはならなったのです。まさかの展開でした。主は彼に行くべき道を示し、導かれました。そしてヤコブは神様の約束を信じて、導かれるままに従ったのです。ヘブル書11章に紹介されている「信仰によって生きた人たち」は、「地上では旅人であり寄留者」であることを告白し、「天のふるさと」に希望を置いて、喜んで、最後まで人生を走り抜きました(ヘブル11:13)。

私たちの人生も、一生涯旅を続けているようなものなのかもしれません。ゴールは神様の御許です。しかし、この先何が待っているかは予測不可能です。試練が待ち構えているかもしれません。先が分からない旅だとしたら、不安になるでしょうか。でも、大丈夫です。イエス様が一緒に行ってくださるからです。イエス様は、伴走者のように私たちの人生の旅路を一緒に走ってくださいます。私たちを愛し、私たちの人生を導いてくださるイエス様に、心からの信頼を置いて歩んで行きたいと思います。

ヤコブが従ったように、私たちも、決して変わることのない神様の約束を信じて、イエス様と共に歩んでまいりましょう。