主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

創世記4:1-16「カインの怒りと主のあわれみ」    齋藤牧師

【礼拝メッセージ要旨】

その後、エデンの園を追い出されたアダムとエバに二人の子供が与えられますが、兄のカインが弟のアベルを殺してしまう、という悲しい事件が起きてしまいます。カインはなぜアベルを殺してしまったのでしょうか。そんなカインを神様はどのように取り扱われたでしょうか。

1)カインの怒り
ある時、カインとアベルはそれぞれに「主へのささげもの」を持ってきました。しかし神様は、アベルとそのささげものに目を留められて、カインとそのささげものには目を留められませんでした。二人のささげる心をご覧になったのでしょう。カインはひどく怒ります。自分は最高のものを持ってきたのに神様は受け入れてくれない。なぜ弟のアベルなのか。神様はえこひいきしている。自分は不当に扱われている。そんな思いが彼の心に広がったと思います。また、アベルに対してねたみや憎しみ、赦せない思いといった感情を抱いたのだと思います。そして、怒りの感情に心が支配されていきました。
私たちも、「ねたみ」という感情を抱くことがあるように思います。特に人と比べる時に、そういう思いにとらわれてしまうのではないでしょうか。

2)主の語り掛け
主はカインにこう言われました。「罪は戸口で待ち伏せして、あなたを恋い慕っている。だが、あなたは、それを治めるべきである。」(7)怒りを治めなければ罪の力に誘惑され支配されてしまう、と主は警告されました。しかし彼は、主の声に聞き従うことができずに、アベルを殺してしまいます。
「あなたの弟アベルはどこにいるのか」(9)主はカインに問われます。これは、主が彼に与えてくださった悔い改めのチャンスでした。それでも彼は「知りません」と答えて、自分の罪を認めることができませんでした。そんなカインに、主はさばきの宣告をなされます。土地がのろわれるために、良い土地を求めてさまよい歩くことになる、というものでした。「私の咎は大きすぎて、にないきれません」(13)カインは、罪を悔い改めたというよりも、この後、人の手によって復讐されることを恐れました。

3)主のあわれみ
そんなカインに対して主は、「だれでもカインを殺す者は、7倍の復讐を受ける」(15)と言われました。これは、神様が復讐を容認されていることではなくて、神様がカインのいのちを守る、という約束でした。何と、憎しみから弟を殺したカインを神様が守ってくださる、というのです。アベルが死んで、アベルを殺したカインが生かされました。主はカインに「一つのしるし」を与えます。神様はなぜカインのいのちを守られたのでしょうか。彼が悔い改めて、神様のもとに立ち返ることを願っておられたからです。ここに、神様の大きなあわれみと愛が表わされています。
このカインの姿は、実は、私たちの姿でもあります。ねたみ心を抱いてしまう、赦せない思いにとらわれてしまう、怒りを治められない、そんな弱さが私たちにもあります。神様はそれをご存じで、私たちのためにイエス様を遣わしてくださいました。イエス様は、私たちの罪を赦すために、まさに人々のねたみを受けて十字架にかかられました。イエス様が十字架で死んでよみがえられたことによって、それを信じる私たちは、罪を赦されて、永遠のいのちをいただきました。この神様の大きな愛を覚えて感謝をおささげしたいと思います。

4)怒りを治めるために
さて、怒りの感情を治めるために、私たちにできることがあります。2つのことを確認したいと思います。一つは、「自分が赦していただいていることを覚える」ことです。イエス様の十字架によって、私たちは大きな罪を赦されていることを思い起こすことです。もう一つのことは、「祈ること」です。自分の思いを正直に、そのまま神様の前に持っていくことです。ピリピ4:6,7をお読みください。神様に自分の思いを知っていただくことです。そうすれば、神様の平安が私たちの心を守ってくださいます。
怒りの感情に支配されないように、祈り続けてまいりましょう。