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マルコの福音書14:1-9 「自分にできること」 齋藤牧師
【今週のみことば】
「しかし、わたしは、いつもあなたがたと一緒にいるわけではありません。彼女は、自分にできることをしたのです。」(マルコの福音書14:7,8)
【礼拝メッセージ要旨】
今日の箇所には、ある一人の女性が、イエスの頭に高価なナルドの香油を注ぐという出来事が描かれています。彼女はなぜそうしたのでしょうか。
1)ナルドの香油を惜しみなく
「過越の祭り」が二日後に迫っていたとき、宗教指導者たちはイエスを捕らえて殺すことを考えていました(1)。イエスは、過越の始まる前に十字架で処刑されてしまうことになります。イエスの十字架の背景には、過越の祭りがありました。
このときイエスはベタニアで、ツァラアトと呼ばれる重い皮膚病に冒された人シモンの家で食事をしておられました。するとそこに一人の女性が入って来て、手にしていた小さな壺を割って「純粋で非常に高価なナルド油」を全部イエスの頭に注ぎました。「ナルドの香油」は、大切な客人をもてなすときや亡くなった人の遺体に塗るために用いられました。彼女は、自分の「宝物」と言えるものを惜しみなくイエスにささげたのです。
彼女は、なぜそれほどまでのことをしたのでしょうか。ヨハネ12章によると、この女性はマルタとラザロの兄姉のマリアであったようです。そうすると、マリアは兄弟ラザロをよみがえらせてくださったことへの感謝の思いを込めて、自分にできる最高のことをしたとも考えられます。それに限らず、イエスから受けてきたたくさんの恵みへの感謝があったのではないでしょうか。また、イエスの受難の予告を覚えていて、イエスにお会いできるのは今しかないと思ったのかもしれません。彼女は、今イエスのために自分にできる最高のことをしてあげたいと、心から願ったのではないでしょうか。そしてそれを実行しました。
2)弟子たちの反応
それを見ていた者たち(マタイ26章によると弟子たち)は、「何のために、香油をこんなに無駄にしたのか」(4)と言って憤慨しました。「この香油なら、300デナリ以上で売れて、そのお金で貧しい人たちに施しができたのに。」(5)もっと役に立つ使い方をすべきだった、そんな思いがうかがえます。そして彼女を厳しく責めたのです。彼らは彼女の思いを理解しようとせずに、自分たちの思いで一方的に責め立てました。私たちも、相手の思いを無視して自分の価値観を押し付けたり、一方的に批判するということはないでしょうか。本当に気をつけたいことです。
3)イエスの反応
一方イエスは、彼女は「わたしのために良いことをしてくれた」(6) と、彼女のしたことを評価されました。イエスのために自分にできる限りのことをしてあげたいという彼女の思いを、イエスは喜んで受け取られました。「わたしは、いつもあなたがたと一緒にいるわけではありません。彼女は自分にできることをしたのです。」(7,8)彼女は、「今、自分にできること」を考えたのではないでしょうか。さらにイエスは、「彼女は埋葬に備えて、わたしのからだに前もって香油を塗ってくれた。」(8)と言われました。これだけの量の香油を注がれて、イエスのからだはこのあともよい香りを放っていたでしょう。イエスは十字架の上で苦しみながらもその香りを感じて、この女性のしてくれたことを思い起こしていたのではないでしょうか。それは、イエスにとって大きな慰めとなったことと思います。
4)イエスのために自分にできること
最後に、この出来事を通して教えられることとして、3つの点に目を留めたいと思います。
1つ目のことは、「イエスのために自分にできることがある」ということです。彼女は、イエスのために自分にできる最高のこととしてこれを決意し、実行しました。彼女は、自分の心をささげたのです。私たちにも、自分にできることがあると思います。例えば、毎日誰かのために祈ることや、仕事を通して与えられた責任を忠実に果たしていくことも、イエスのためにすることと言えると思います。「あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、それも最も小さい者たちの一人にしたことは、わたしにしたのです。」(マタイ25:40) 誰かのために何かをしてあげることも、イエスのためにすることなのです。このことを心に留めて、自分にできることを実行したいと思います。
5)今しかできないことがある
2つ目のことは、「今しかできないことがある」ということです。彼女は、イエスが一緒におられる「今」これをしようと決心し、それを実行しました。「先延ばし」にはしませんでした。私たちにも、「今しかできないこと、今だからこそできること」があるのではないでしょうか。「いつかそれをやろう」と思っていても、ふさわしい時を逃してしまうこともあるのです。何か志を心に抱いたら、祈りながら具体的な計画を立て始めるとか、その実現のために必要な情報を集めるとか、すぐに行動に移すことを心掛けてはいかがでしょうか。「すべてのことには定まった時期があり、天の下のすべての営みに時がある。」(伝道者3:1) すべてのことには「神さまの時」がある、というのです。そのふさわしい「時」を逃すことのないようにしたいと思います。
6)私たちの心からのささげものをイエスは喜んでくださる
3つ目のことは、「私たちの心からのささげものをイエスは喜んでくださる」ということです。イエスは、彼女が心からの感謝を込めてささげたナルドの香油を喜んで受け取られました。私たちがささげるものも、それが本当に心からささげられるのであれば、イエス様は喜んで受け取ってくださいます。私たちのささげる祈りが、奉仕が、ささげものが、また普段の仕事や誰かのためにすることも、心からなされていると言えるでしょうか。「イエス様に喜んでいただきたい」という思いが、私たちの「ささげる動機」となっているでしょうか。義務的な思いからでもなく、何か見返りを求めてでもなく、心から喜んでおささげする者となりたいと思います。
私たちも、イエス様のために「今、自分にできること」を祈り求めて、実行してまいりましょう。