主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

コロサイ人への手紙3:18-4:1 「キリストに仕えるように」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「何をするにも、人に対してではなく、主に対してするように、心からしなさい。(コロサイ3:23)

【礼拝メッセージ要旨】

パウロは、先週の箇所に続いて、社会生活における具体的な人間関係のあり方について語っています。私たちも、家庭や社会の中で生きている者として、このところから教えられることが多くあるように思います。

1)私たちは人間関係の中で生きている
私たちはみな、様々な人間関係の中に置かれて生活しています。家族の関係があり、仕事や地域、趣味の仲間、教会といった社会的なつながりがあります。羊が群れの中で安心して生きていけるように、人間も、お互いに助け合い、支え合って生きる者として神様に造られました。やはり、人間関係は大事です。しかし、時に、人間関係は難しいと感じることもあります。パウロは、そうした人間関係のあり方について具体的な勧めをしています。

2)家族の関係について
「妻は夫に従い」、「夫は妻を愛する」。このことが夫婦の関係として勧められています。これらは別々のものではなくて、一対のものとして与えられていることをぜひ心に留めたいと思います。また、子どもたちに対しては「両親に従う」ことが、そして父親たちには「子どもたちをおこらせない(いらだたせない)」ようにと告げています。これは、父親たちが感情のままに子どもたちをりつけて、思い通りに支配することがないようにとの戒めが込められています。

3)奴隷と主人の関係について
さらにパウロは、奴隷と主人の関係について語っています。当時、奴隷の多くは戦争捕虜となって連れて来られた人たちでした。彼らは主人に買われて、主人の「所有物」とされていました。しかし、中にはキリストを信じてクリスチャンとなって、主人の家族とともに教会に集っていた奴隷たちもいたようです。そんな奴隷たちに対して、「地上の主人に従う」ようにと勧めています。「主を恐れかしこみつつ、真心から従いなさい」(22)、「何をするにも、人に対してではなく、主に対してするように、心からしなさい」(23)これは、奴隷に限ったことではなく、すべての人間関係の土台となる、「人に仕える姿勢」と言えます。神様は、私たちのすべての行いを見ておられて、正しく報いてくださいます。どの立場にあっても、「イエス様に仕えるように」、真心から、人に仕えていきたいと思います。また、奴隷の主人たちに対しては、「正義と公平を示しなさい」と命じています。人の上に立つ立場にある人には、それだけ大きな責任が与えられていると思います。

4)人間関係の原則
最後に、今日の箇所全体を通して教えられることとして、3つのことを確認したいと思います。
①一つは、「神様は、一人一人にふさわしい立場を与えておられる」、ということです。私たちはそれぞれ、家庭や社会において、いろんな立場や役割が与えられています。そうした立場は、背後に神様の導きがあって、そこに導かれた、と言えるのではないでしょうか。神様が、私たちにとって一番良いようにそこに導いてくださったのです。今、私たちが置かれているところ、置かれた立場で、忠実に仕え、与えられた責任を精一杯果たしていきたいと思います。

②二つ目のことは、「人に仕えることを通して、主に仕えている」ということです。私たちは、どんな立場であっても、人に仕えていると言えます。そして、人に仕えることを通して主に仕えているのです。「あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです。」(マタイ25:40) 私たちが何気なくした小さな親切も、神様はちゃんと覚えておられる、というのです。そしてそれは、イエス様に対してしたことなのだ、と言っています。例えば、「ちょっと苦手なあの人」の背後にもイエス様がおられる、ということです。また、「ちょっと大変だな」と思える仕事も、実はイエス様のためにしている、ということです。このことを覚えて、心から人に仕えていきたいと思います。

③3つ目のことは、「主に仕えるように人に仕える」ということです。人に仕える姿勢として大切なことです。私たちは、イエス様に仕えるように、人に仕えていきたいと思います。とは言っても、苦手な人や、自分のことを理解してくれない人や反対する人に心から仕える、ということは、心情的にはなかなかできないかもしれません。それでも、イエス様の姿を思い起こしたいと思います。イエス様は私たちを愛し、私たちのために命をささげてくださいました。そのイエス様のためになら、心から仕えたいと思えるのではないでしょうか。このことを、いつも心に留めていたいと思います。

イエス様に仕えるように、心から人に仕える者となれるように祈り求めてまいりましょう。