主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

マタイ2:13-26 「神の守りの御手により」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「人の心には多くの思いがある。しかし、主の計画こそが実現する。」(箴言19:21)

【礼拝メッセージ要旨】

東方の博士たちが帰ったあと、ヨセフ一家を取り巻く状況は一転、大きな試練に見舞われます。この時ヨセフはどのように判断し、また神様はこの家族をどのように導かれたでしょうか。

1)ヨセフへの御告げ
博士たちが帰るやいなや、主の使いがまた夢でヨセフに現われて、家族を連れてエジプトに逃げるようにと告げられます。ヘロデ王はイエスを捜し出して殺そうとしていました。そんなヘロデの魂胆を神様はすべてご存じで、イエスの命を守るためにエジプトに逃れるようにとヨセフに知らせたのです。神様は、ヨセフの心に働きかけて、ヨセフの手によってイエスを守らせようとされました。直接奇跡を起こしてイエスを守ることはせずに、あえてヨセフの手に委ねたのです。

神様は、ご計画の実現のために人を用いられます。私たちにも、それぞれの使命が与えられているのではないでしょうか。仕事も家族に仕えることも、祈ることも、そして今日一日を生きることも、神様から委ねられたこととして、感謝をもって精一杯なしていきたいと思います。

2)エジプトへ
ヨセフは、この御使いのことばを信じて、即座に従いました。博士たちが訪ねてきた嬉しい日です。もう少し幸せな余韻に浸っていたいと思えるようなひと時であったと思います。目の前の状況はまだ何も変わっていません。それが一転して、王様から我が子の命を狙われることになるとは、信じがたいことだったでしょう。しかし、ヨセフは決断します。彼は「立って」、「夜のうちに」家族を連れてエジプトに向けて出発します。そんなヨセフの姿に、みこころと分かったらすぐに従うことの大切さを教えられるように思います。また、この場面から、かつてイスラエルの民が夜のうちに一斉にエジプトを出発した「出エジプト」の出来事が思い起こされます(15)。
一方、ベツレヘムの町は、その後深い悲しみに包まれます。ヘロデの手によって、その近辺の幼子たちが犠牲となったのです。心が痛む悲しい出来事でした。この事件は、人の罪がいかに大きくて根深いものであるかを物語っているように思います。

3)エジプトからナザレへ
こうしてヨセフ一家は、ベツレヘムからエジプトへ移り住みます。慣れない外国の地での暮らしは大変だったことでしょう。博士たちから贈られたあの宝物がそこでの生活に役立ったかもしれません。そしてやがて、ヘロデが死んで、イスラエルに戻るようにと告げられて、ヘロデの息子のいるユダヤを避けて北のガリラヤに立ち退き、彼らの故郷のナザレの町に戻ってきました。イエス様は、救い主としてのお働きを開始するまでそこで暮らすことになります。

4)神様のご計画と導きについて
最後に、「神様のご計画と導き」ということについて考えてみたいと思います。神様は、ひとり子をこの世界に遣わす、という救いのご計画を実現するために人を用いられました。ヨセフも、幼子イエスの命を守るために大きな責任が委ねられました。彼は、神様の声を聞きながら、導かれるままに従って行ったのです。このヨセフのたどった歩みは、私たちの人生の歩みに重なって見えてくるようにも思えます。神様は、ご自身のご計画の中で、私たちをその都度、一番良いところ(ふさわしいところ)へと導いてくださるのではないでしょうか。私たちが置かれる状況もそうです。時には、私たちには理解に苦しむようなこともあります。「神様はどうしてこのことを許されたのだろうか?」と思えることもあります。それでも、それも私たちの理解を越えた、神様の大きなご計画の中でなされていることだと思うのです。一つ、ハッキリと言えることがあります。それは、「神様は、私たち一人一人のことを愛しておられる」ということです。大切なひとり子を、私たちのために差し出してくださったほどに愛してくださいました。神様は、その大きな愛を持って、私たちの人生を一番良いところへと導いてくださいます。

「人の心には多くの思いがある。しかし、主の計画こそが実現する。」(箴言19:21)神様のご計画は、どんな人間的な思いや企みによっても、妨げられることはありません。神様のご計画は必ず実現する、このことをしっかりと心に留めたいと思います。そして、そのご計画の中で、私たちをも用いてくださる神様に信頼して、みことばに聞き従いながら、導かれてまいりましょう。