主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

コリント人への手紙第一12:12-27 「キリストのからだとして」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「あなたがたはキリストのからだであって、一人ひとりはその部分です。」(コリント人への手紙第一12:27)

【礼拝メッセージ要旨】

今日は、今年度の目標聖句に関連してこの個所に目を留めたいと思います。パウロは、教会は「キリストのからだ」であって、一人ひとりはそのからだの大切な「部分」であると語っています。

1)教会は「キリストのからだ」
コリントの教会は、パウロの働きによって生まれた教会でしたが、教会の中には様々な問題があって一つになれないでいました。パウロは、旅先でそのことを聞き、憂慮して、彼らに助言を与え励ますためにこの手紙を書き送りました。今日の個所で、教会は「キリストのからだ」であって、一人ひとりはそのからだの大切な部分(一員)なのだと教えています。
「教会」と訳された言葉(エクレーシア)には、「呼び出された者たち」という意味があります。つまり「教会」とは、神によって呼ばれ、召し出された人たち(クリスチャン)の集まりであって、建物や組織のことではありません。では、「教会」が「キリストのからだ」であるとは、どういうことを言っているのでしょうか。私たちがイエス様を自分の救い主として信じて、心にお迎えした時に、私たちはイエス様につながりました(ぶどうの枝と木の関係のように(ヨハネ15章))。そのように、クリスチャンはイエス様につなぎ合わされて、イエス様と一体となって「一つのからだとされている」ということです。

2)人間の「からだ」のように
パウロはそのことを、「人間のからだ」に例えて、さらに具体的に説明しています。それはどういうことなのか、3つの点から見てみたいと思います。
①「からだ」は多くの部分から成っている
まず1つ目のことは、「「からだ」は多くの部分から成っている」ということです。「からだはただ一つの部分からではなく、多くの部分から成っています。」(14) 人間のからだは、実に多種多様な部分(器官)から成っており、一つ一つの器官にはそれぞれの機能があって、その器官ならではの役割を担っています。皆異なるものですが、どれもなくてはならない大切なからだの部分です。そのように、キリストのからだである「教会」も、多種多様な人たちから成っています。教会にはお年寄りから子どもまでいて、いろんな職業の方々がいて、生まれ育った環境や性格、個性も一人一人異なります。そうした人たちがイエス様につながって一つとされているのです。
「御霊は、みこころのままに、一人ひとりそれぞれに賜物を分け与えてくださるのです。」(11) 神様はみこころのままに、私たち一人ひとりにふさわしい賜物を与えてくださっています。私たちには、神様が与えてくださった良いところが必ずあるのです。賜物を人と比べる必要も、他の人の賜物をうらやむ必要も全くありません。その賜物を心から感謝して受け取って、「皆の益となるために」(7)、賜物を管理し、有効に用いていきたいと思います。

②「からだ」には不要な部分は一つもない
次に2つ目のことは、「「からだ」には不要な部分は一つもない」ということです。人間のからだは実に多くの部分から成っていますが、その部分の一つ一つはどれもなくてはならない大切なものです。例えば、「眉毛」でさえも、目を保護するという大切な役割を担っています。神様が造られたものには、何一つ無駄なものはないのです。そのように、キリストのからだである教会も、一人ひとりが必要とされ、欠けてはならない大切な一員であるとパウロは語っています(15~16,21~22)。劣っていると思える部分こそ、尊ばなければならないというのです(23)。御霊の賜物に優劣はありません。どれも必要なものとして神から与えられた、素晴らしいギフトであることを覚えたいと思います。

③各部分は「組み合わされて」からだとなる
3つ目のことは、「各部分は「組み合わされて」からだとなる」ということです。人間のからだは多くの部分からなっていますが、それぞれの器官がバラバラに機能しているのではありません。一つのからだとして、お互いに連携をとって、脳の指令のもとに一致した働きをします。キリストのからだも、一人ひとりがバラバラに、ただそこにいるだけはありません。一人ひとりが自分に与えられた賜物を用いて、協力して一つのからだを「建て上げていく」のです。パウロはエペソ4:16で、キリストのからだは、「組み合わされ、つなぎ合わされて、成長する」と語っています。私たち一人ひとりも、教会の一員としてイエス様につながって、からだの一員として「組み合わされている」ということを覚えたいと思います。

3)共に苦しみ、共に喜ぶ教会
では、私たちがキリストのからだの一員として、本当の意味で組み合わされるために、大事なことは何でしょうか。「キリストによって、からだ全体は、~愛のうちに建てられる」(エペソ4:16)とあります。私たちが「キリストの愛によって結ばれている」ということをしっかりと心に留めることが、何よりも大切なことではないでしょうか。父なる神様と御子イエス様の大きな愛と恵みを受けた者として、私たちもお互いに愛をもって仕え合いたいと思います。「一つの部分が苦しめば、すべての部分がともに苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分がともに喜ぶのです。」(26)「愛をもって互いに仕え合う。共に苦しみ、共に喜ぶ。」そんな教会となりたいと思います。

キリストのからだである教会の一員として、それぞれが受けている賜物を用いて、イエス様から受けた愛をもって、この一年も仕え合ってまいりましょう。