主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

列王記第一3:3-15,4:29-34 「ソロモンの知恵」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「神は、ソロモンに非常に豊かな知恵と英知と、海辺の砂浜のように広い心を与えられた。」(列王記Ⅰ4:29)

【礼拝メッセージ要旨】

今日は、ソロモンが神に知恵を求めて、その知恵によってイスラエルを治めていった姿に学びたいと思います。

1)主を愛したソロモン
「ソロモンは主を愛し、父ダビデの掟に歩んでいた。」(3) ソロモンは、20歳頃に王に即位して40年間イスラエルを治めます。その間、イスラエルには平和と繁栄の時がもたらされ、全盛期を迎えます。その土台には、彼の信仰と神から与えられた「知恵」がありました。ソロモンは、父ダビデとは違って特に苦労をすることもなく、2代目として父親から多くのものを受け継ぎます。そして神は彼にイスラエルの王として必要な力を与えられました。

2)ソロモンが願ったもの
「あなたに何を与えようか。願え。」(5) ある時、ソロモンがギブオンの町で神を礼拝するためにいけにえをささげた時に、夜の夢の中で神が現れて、彼にこう仰せられました。これに対してソロモンは、「善悪を判断して民をさばくために、聞き分ける心」を神に願い求めます。彼は、王として善悪を判断して正しいさばきを行うことがいかに大事なことであるか分かっていました。イスラエルの王としての責任を果たしていくことを何よりも大事なことと受け止めたのです。この時神は、どうしてこのことをソロモンに問われたのでしょうか。それは、ソロモンが自分にとって今何が一番大切なことなのか、自分自身で確認をするためであったと思います。そして彼は、大事だと考えたことを自分の口で主に願い求めました。それが、ソロモンが王としてイスラエルを治めていくために必要なことでした。

3)主がソロモンに与えられたもの
「これは主のみこころにかなった」(10) 神は、ソロモンが自分のための願いではなく、王として正しい訴えを聞き分ける判断力を願ったので、その願いを聞き入れて「知恵と判断の心」を与えると約束されました。さらに、彼が願わなかった「富と誉れ」、そして「長寿」も与えようと言われたのです。そうしてソロモンは、それ以来、神の知恵によってイスラエルを治めます。二人の遊女の訴えを巡っての「名裁判」が3章後半に記されています。

4)主はソロモンによってイスラエルを祝福された
ソロモンは信頼できる官僚たちを任命し、イスラエル全土に12人の守護を置いてしっかりとした体制を組織して治統しました。諸国との交易にも力を入れ、イスラエルに平和と繁栄がもたらされます。民は海辺の砂のように増えて、安心して暮らせるようになりました(4:20,24,25)。神は、ソロモンによってイスラエルを祝福されました。「神は、ソロモンに非常に豊かな知恵と英知と、海辺の砂浜のように広い心を与えられた。」(29) 神はソロモン自身をも豊かに祝福します。しかし、そうした繁栄は「落とし穴」ともなります。果たしてソロモンは最後まで神に従い通すことが出来たでしょうか。次週は、晩年の彼の姿に目を留めていきます。

5)神は私たちにも「求めなさい」と問われている
最後に、このソロモンの姿を通して教えられることとして3つのことを確認したいと思います。
一つ目のことは、「神は私たちにも「求めなさい」と問われている」ということです。神がソロモンに「何を与えようか。願え。」と問われたように、私たちにも問われているのではないでしょうか。イエスは、「求めなさい。そうすれば与えられます。」(マタイ7:7)と言われました。これは、自分にとって本当に必要なものを求め続けることを意味しています。ソロモンが王としての責任を果たすために知恵を求めたように、私たちも自分にとって今何が一番大切で必要なのかよく考えて、祈り求めていきたいと思います。すべての人にとって一番大切な求めるべきものは、「イエス・キリストにある永遠のいのち」です。救い主イエスを信じて、私たちの造り主である神につながって、神との正しい関係の中で人生を歩むことです。それは、世のどんな宝物や名誉よりもはるかに価値があって、決して変わることのないものです。

6)みこころにかなう願い
二つ目のことは、「みこころにかなう願い」ということです。ソロモンが願ったことは「みこころにかない」ました。しかし、私たちの願っていることがすべて「みこころにかなう」とは限りません。「みこころにかなわない」(神のみこころに合わない)こともあるのです。それでも、「みこころならば、この願いを聞いてください」と大胆に祈り求めていいと思います。イエス様も、そんな祈りをささげました。「みこころなら、この杯を私から取り去ってください。しかし、私の願いではなく、みこころがなりますように。」(ルカ22:42) もし自分の願っていることがみこころではないと分かったとしても、それが神のみこころなのだと受け止めて従いたいと思います。

7)与えられたものを有効に用いる
最後に三つ目に確認したいことは、「与えられたものを有効に用いる」ということです。ソロモンは、願って与えられた知恵を用いてイスラエルを治め、イスラエルもソロモン自身も大いに祝福されました。神様は、私たちに「良いもの」を与えてくださっています。私たちの体も、個性も、能力や今持っているものもすべて神からの「賜物」です。私たちも、与えられた「良いもの」を感謝して受け取って、その賜物を神と人のために有効に用いていきたいと思います。(今年度の目標聖句ペテロⅠ4:10参照)

 主を愛し、私たちを通して主のみこころがなされることを祈り求めてまいりましょう。