主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

使徒16:25-34 「主イエスを信じなさい」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。」(使徒の働き16:31)

【礼拝メッセージ要旨】

パウロの一行は海を渡ってピリピの町にやってきます。ここでも様々な出会いが備えられていました。今日はこのところから、神様が与えてくださる「救い」ということについてご一緒に学びたいと思います。

1)リディアとの出会いから投獄まで
パウロの一行は、トロアスから船で海を渡り、マケドニアのピリピの町までやってきます。彼はユダヤ人の祈り場でリディアという紫布の商人の女性に出会います。彼女はパウロの語る福音を聞いてイエスを信じて、家族と一緒にバプテスマを受けました。
その後、彼らは占いの霊につかれた女奴隷に出会い、パウロは彼女からその霊を追い出します。そのことによって儲ける望みを失った主人たちは、腹いせにパウロとシラスを捕らえ、町の役人たちの前に引き出し、不当に訴えます。そして彼らはむち打たれ、牢獄に入れられてしまいました。

2)看守と家族の救い
その夜、二人は牢の中で、祈りながら、賛美を歌っていました。この困難な状況の中でも祈り、神をほめたたえていたというのです。彼らはこのピリピの町の人々の救いや、自分を牢獄に入れた人たちの救いも祈っていたのではないでしょうか。そんな彼らの祈りと賛美を、ほかの囚人たちは聞いていました。彼らはその賛美に慰めを得ていたのでしょう。そしてその声は、この牢獄の看守の耳にも届いていたと思います。
そんな真夜中に突然大きな地震が起こり、牢の扉は開き、囚人たちの鎖が外れてしまいます。目を覚ました看守はそれを見て、てっきり囚人たちは皆逃げてしまったものと思い込み、剣を抜いて自害しようとします。その時パウロの叫ぶ声が聞こえました。何と、囚人たちは皆逃げずにそこに留まっていたのです。「先生方。救われるためには、何をしなければなりませんか。」(30)彼はパウロたちの前にひれ伏して、こう尋ねました。
看守は、パウロたちに「救い」を求めました。ローマの役人としての処罰を恐れて自害しようとした自分とは対照的に、パウロたちは何も恐れずに逃げずにいたのです。そんな彼らの姿に、何かを感じ取ったのではないでしょうか。自分にはないものをこの人たちは持っていると感じたのかもしれません。それは、彼らの信じている神から受けているものであり、それが「救い」なのではないか?だとしたら、私もその「救い」を受けたい。そんな思いが、彼の心に湧き上ったのかもしれません。神様が、彼の心に触れてくださったのだと思います。パウロたちの、困難の中にあっても神に信頼して誠実に生きる姿を通して、彼の心に救いを求める思いが起こされていきました。私たちも、私たちの信仰者としての生き方が、周りにいる人たちへの自然な証しとなれればいいなと思います。
「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。」(31) 看守の問いに二人はこう答えて、彼と彼の家にいる者たちに救い主イエスのこと(福音)を語ります。彼らはイエスを心に受け入れて、その夜、彼ら全員がバプテスマを受けました。彼と彼の家族に、大きな喜びがもたらされたのです。

3)「救い」について
最後に、31節の聖句から、「救い」ということについて大事なことを確認したいと思います。3つのことに目を留めたいと思います。
①まず一つ目のことは、「主イエスを信じる」ということです。
「主イエスを信じる」とは、神のひとり子であるイエス・キリストが、私の罪を代わりに負って、十字架で死なれて、私の罪の償いをしてくださったと信じることです。私たちを造られた天の神様は、私たちを愛して、神のひとり子イエスをこの世界に人として遣わして、私たちの罪を負わせて、十字架でその罪を処罰してくださいました。このイエス様を、「私の救い主」として心に受け入れ、信じることです。そして、自分の人生をイエス様に明け渡して、ゆだねて歩んでいくことを決心することです。

②二つ目のことは、「救われる」ということです。
神様が私たちを罪の奴隷状態から解放してくださることが、聖書の語る「救い」です。神様は、そのために救い主を遣わしてくださいました。それがイエス様です。無限の神様が、限界のある人となって、私たちの世界に入ってきてくださいました。そしてイエス様は、十字架で私たちの罪の償い(贖い)を成し遂げて、天に上げられました。このイエス様を信じることによって私たちの罪は赦されて、それまで離れていた神様との関係が回復されるようになりました。イエス様を受け入れる時に、その人には大きな喜びと心の平安がもたらされます。これが、神様が私たちに与えてくださった「救い」です。

③三つ目のことは、「あなたもあなたの家族も救われる」ということです。
これは、「あなた」がイエスを信じて救われれば「あなたの家族も」自動的に救われる、ということではありません。「あなたの家族も、イエスを信じるならば救われる」ということです。それでも、一人が救われることで、その人の家族にも神様の恵みがもたらされていくのではないでしょうか。私たちが愛する家族のためにできることがあると思います。一つは、家族を愛し、仕えていくことです。最も近い隣人である家族を大切にし、心から仕えていきたいと思います。もう一つのことは、家族のために祈ることです。家族の一員として、そこに置かれている私たちだからこそできることです。愛する家族の救いを願って、祈り続けてまいりましょう。

「主イエスを信じなさい」神様は、すべての人にこう呼びかけておられます。私たちが、「はい、信じます」と、この呼びかけに答えたことを、今一度思い起こしたいと思います。そして、神様のものとされた、その感謝と喜びを忘れずに、これからもイエス様とともに人生を歩んでまいりましょう。