主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

使徒1:1-11 「もう一人の助け主」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「しかし、聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります。」(使徒1:8)

【礼拝メッセージ要旨】

今日からしばらく、「使徒の働き」からご一緒に学びたいと思います。この書には、イエスが天に上げられてから教会が誕生し、使徒たちによって福音が世界中に力強く宣べ伝えられていく様子が生き生きと描かれています。今日は、よみがえられたイエスが天に上げられるまでの間になされたことについて目を留めたいと思います。

1)もう一人の助け主
この書はルカによって、おそらくローマの役人であったテオフィロに報告する形で、「ルカの福音書」の続編として書き記されています。死からよみがえられたイエスは、天に上げられるまで、40日間に渡って弟子たちと一緒に過ごされました。この40日の間、イエス様は「神の国のことを語られ」(3)、「エルサレムを離れないで、わたしから聞いた父の約束を待ちなさい」(4)と命じました。その「約束」とは、彼らが「聖霊」を受けることです。イエスはこのことを前もって弟子たちに伝えていました。「そしてわたしが父にお願いすると、父はもう一人の助け主をお与えくださり、その助け主がいつまでも、あなたがたとともにいるようにしてくださいます」(ヨハネ14:16)イエスのほかにもう一人の助け主として聖霊が与えられる、というのです。「(わたしが)去って行かなければ、あなたがたのところに助け主はおいでになりません」(ヨハネ16:7) イエスが天に上げられてから聖霊が遣わされることを示しています。
「聖霊」とは、どういうお方でしょうか。聖書は、神は①父なる神、②子なるキリスト、それに③聖霊なる神の3つのご人格をお持ちであることを教えています。そうでありながら一人のお方だというのです。それは、人には完全には理解できないことかもしれません。この「聖霊」について、イエスはこう言われました。「しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、わたしがあなたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます」(ヨハネ14:26) 聖霊は、イエスを信じる者のうちに住んでくださり、イエスが教えられたことを思い起こさせてくださり、人生を助け導いてくださるお方です。クリスチャンの一人一人に、聖霊なる神様が「助け主」として住んでくださっているのです。本当に感謝なことですね。

2)聖霊の力によって
この聖霊が与えられるというイエスの約束を聞いて、使徒たちはいよいよイスラエルが再興する時が来たと期待したようです。そんな彼らにイエスは、いつとか、どんな時とかいうことは知る必要はない、それは神が定めておられることだと告げます。そしてさらに、思いもかけないことが告げられます(8)。聖霊が与えられる時、あなた方は力を受けるというのです。そして、その力によって「地の果てにまで」出て行って、「イエスの証人」となると言われました。イエスのことをまだ知らない他の国の人々に知らせ、紹介して、このお方に本当の救いがあることを伝えるために、そして、一人でも多くの人を救いに導くために出て行きなさいというのです。聖霊の力と励ましによる世界宣教の使命が与えられました。自分たちのことしか考えていなかった使徒たちに、イエスは、地の果てにまで、すべての国民、すべての人の救いのご計画という、壮大なビジョンをお示しになったのです。神様の視点は私たちの思いをはるかに越えて、高いところにあるのだなと思わされます。神様は、私たちを用いて、私たちの思いを越えた大きな恵みをもたらそうとされるのではないでしょうか。私たちの普段の生活の中で、祈りながら聖霊様の助けを求めて、自分にできることをなしていきたいと思います。そして、それぞれ置かれているところで、「イエスの証し人」として、イエス様から受けた愛を現わしていきたいと思います。

3)イエスの昇天
そうしてイエスは、40日間使徒たちとともに過ごされてから天に上げられます。「彼らはイエスを礼拝したあと、大きな喜びとともにエルサレムに帰り」(ルカ24:52)この時、彼らの心には大きな喜びがありました。イエスが彼らから遠く離れてしまったのではないと分かっていたからです。「見よ。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたとともにいます」(マタイ28:20) イエス様は、天に上げられ、父なる神の右の座に着いて天地万物を支配するすべての権限を与えられ、治めておられますが、決して私たちの届かない遠いところに行かれたのではありません。イエス様は、今も私たちとともにいてくださり、私たちのためにとりなし、聖霊様を遣わしてくださるのです。

 今、イエス様を信じる私たち一人一人のうちにも、もう一人の助け主である聖霊様が住んでくださっていることを信じて、感謝をおささげしたいと思います。この聖霊様の御声に聞いて、助けをいただきながら、私たちも、イエスの証し人として、自分の行くべき道を精一杯歩んでまいりましょう。