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ピリピ人への手紙2:1-5 「思いを一つに」 齋藤牧師
【今週のみことば】
「何事も利己的な思いや虚栄からするのではなく、へりくだって、互いに人を自分よりすぐれた者と思いなさい。」(ピリピ人への手紙2:3)
【礼拝メッセージ要旨】
パウロは、教会外からの問題に対処する勧めに続いて、次に教会内にあった問題に目を向けて、「キリストにあって同じ思いとなるように」という勧めをしています。本当の意味で思いを一つにするために何が大切なのでしょうか。
1)教会内にあった問題
「あなたがたは同じ思いとなり」(2)ピリピ教会の中にも一致できない問題があったようです(1:15,4:2など)。同じクリスチャン同士なのに一つ思いになれない現実がありました。それは、この手紙を書いたパウロ自身もかつて経験したことでした(マルコを巡ってのバルナバとの反目)。パウロは、そうした教会内にあった問題を憂慮して、同じ思いになるようにと伝えたかったようです。これは人間社会にある現実の問題であり、私たちの間にも起こりうる大きな問題と言えます。
2)同じ思いとなりなさい
ではパウロは、どのようにして同じ思いとなりなさいと言っているのでしょうか。私たちは一人一人皆違いますが、私たちの真ん中にはイエス様がいてくださいます。私たちはイエス様によって繋がっているのです。私たちのうちにはキリストの励ましがあり、神の愛の慰めが注がれています。また、同じ一つの聖霊が宿っていて、お互いの間に愛情とあわれみがあふれています(1)。これが、神の家族としてのクリスチャンの交わりです。だから同じ思いになれる、同じ愛の心を持てるというのです。
3)一致できない原因
そうは言っても、実際にはなかなか一つ思いになれない現実があります。「何事も利己的な思いや虚栄からするのではなく」(3a) ここに一致を妨げるものとして2つのことが挙げられています。一つは「利己的な思い(自己中心、党派心)」です。もう一つは「虚栄(うぬぼれ、慢心)」です。私たちは生まれながらにして自己中心や虚栄の性質を持っています。それは聖書が語っている「罪」の性質からくるものです。自己中心や虚栄があるので、「譲る」ということがなかなかできません。同じ思いになることが難しくなります。
4)一つ思いになるために
では、私たちが一つ思いになるためにどうすればいいのでしょうか。 「へりくだって、互いに人を自分よりすぐれた者と思いなさい。」(3b)一つは、「へりくだること(謙遜)」です。自分を低くすることは、本能的な欲求に相反することなのかもしれません。それでも、神様は私たちに謙遜になることを求めておられます。神様ご自身がそのことを私たちに示してくださいました。もう一つのことは、「人を自分よりもすぐれた者と思うこと(他者を敬うこと)」です。すべての人は神様によって造られ、愛されています。「ちょっと苦手なあの人」のことも神様は愛し、自分にはない賜物を与えてくださっているのではないでしょうか。
謙遜になることと他者を敬うことを心から実行することは、簡単なことではありません。「心の貧しい者は幸いです」(マタイ5:3) 自分が神の前にいかに罪深く弱い者であるかを自覚してその罪を悲しむこと。そして神の前にへりくだることが、人にとって本当に幸いなことなのだとイエスは教えました。神の前には誰も誇れるような人はいません。私たちは皆、神の前に罪深く、傲慢な者なのです。
こんな私たちのために、神様は謙遜を示してくださいました。神の御子であるイエスが人となって、しかも貧しくなってこの世界に来られて、私たちの罪を一切その身に負って十字架でいのちをささげてくださったのです。イエス様はそこまで自らを低くしてくださいました。私たちを罪から救うためにです。それがどれほど大きな恵みであるのか本当に分かる時に、自らへりくだり、他者を敬うことができるようにされるのではないでしょうか。
5)私たちが心掛けたいこと
最後に、私たちが普段の生活の場で具体的に心掛けたいこととして、一つお話ししたいと思います。私たちは、一致を求めるために自己主張せずいつも自分が譲歩して、他人の意見に従わなければならないのでしょうか。必ずしもその必要はないと思います。大切なことは、謙遜と敬う心をもって、相手の立場を理解しようと努めることではないかと思います。「自分のことだけではなく、ほかの人のことも顧みなさい。」(4) あの人はなぜこう言っているのか、相手の立場に立って考えてみたいと思います。その上で、自分が大事だと思うことを伝えていいのではないでしょうか。相手の思いを受け止め、尊重しながら、自分の思いを誠意をもって伝えることです。一方的にならないで、忍耐強くキャッチボールすることです。そうすることでお互いの理解が深まり、よりよい解決の道が開かれていくのではないでしょうか。
「キリスト・イエスのうちにあるこの思いをあなたがたの間でも抱きなさい。」(5)イエス様が示してくださった愛をしっかりと受け止めて、私たちもお互いに愛し合い、仕え合ってまいりましょう。