主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

創世記47:13-26 「社会の一員として仕える」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「人にではなく、主に仕えるように、善意をもって仕えなさい(エペソ6:7)

【礼拝メッセージ要旨】

今日の箇所には、ヨセフの社会人としての姿が描かれています。彼は、エジプトの為政者としてどのように仕えていったのでしょうか。

1)ヨセフのききん対策
この地域全体を襲った厳しいききんの中で、ヨセフはエジプトの総理大臣として、パロと民から大きな期待と責任を負っていました。彼は、この国難を乗り切るために様々な政策を実施していきます。まず、豊作の間にエジプトに蓄えさせた穀物を銀と引き換えに売りますが、長引くききんにその銀も尽き果てます。生活に困窮した民の訴えにヨセフは、家畜と引き換えに穀物を与えることを提示しました。しかし、やがてその家畜も尽きて、民はパロに農地を買い取ってもらい、パロの小作人となることを願い出ます。ヨセフはその願いを受け入れてエジプトの全農地を買い取り、エジプト人の土地は国有化されました。こうして、民が国から土地を借りてパロの小作人になるという新しい制度が始まります。そのためにヨセフは、民に種を無償で提供し、収穫の中から小作料として2割を納めさせ、8割は民のものとするという実に寛大な政策を打ち出しました。これを聞いて民はヨセフに深く感謝し、進んでパロに仕えることを誓います。こうしてヨセフは、大臣として采配を振るい、この危機的な状況を切り抜けて、国民の絶大なる信頼を得たのです。

2)ヨセフの為政者として仕える姿勢
ヨセフがエジプトの為政者として仕えた姿勢(大切にしたこと)について、4点挙げたいと思います。
①まず、彼は自分の仕事に「忠実に」仕えました。彼はパロのために忠実に仕え、真剣に精一杯、自分のなすべきことを果たしていきました。
②彼は、「責任感と決断力」をもってパロとエジプトに仕えました。一切のことは自分が責任を取ると覚悟を決めて、本当に大事だと思うことを大胆に決断し、実行に移していきました。
③彼には、ききんに苦しむ民衆を「思いやる心」がありました。民の訴えを真剣に聞いて、配慮をしながら寛大な政策を取りました。自分自身が奴隷として苦しんだ中で、神のあわれみと恵みを受けた者として苦しむ人たちのことを思いやったのです。
④また、彼には民を「信じる心」がありました。民を信頼して彼らの負担を軽くしたのです。民はそんなヨセフに感謝し、喜んでパロに仕えました。

3)神様が私たちを今いるところに遣わされた
こうしたヨセフの姿に、私たちも社会の一員として学ぶことがあるように思います。2つのことに目を留めたいと思います。
一つは、「神様が私たちを今いるところに遣わされた」ということです。「今、私をここに遣わしたのは、~実に神なのです」(45:8) ヨセフのおかげでエジプトは危機的な状況を切り抜けることができました。神は、ヨセフの家族を救い出すためだけなく、エジプトを救うためにもヨセフをエジプトに遣わされたのです。
私たちも、神様によって、今いる職場や学校や地域や家庭に遣わされているのではないでしょうか。私たちがそこに必要だから、今そこに置かれているのです。ヨセフはそのことがよく分かっていて、エジプトに仕えることも神から託された大事な使命と受け止めて、精一杯責任を果たしていきました。私たちも、今置かれているところで、自分にできることに精一杯取り組んでいきたいと思います。

4)主に仕えるように社会に仕えて行く
もう一つのことは、「主に仕えるように社会に仕えて行く」ということです。「人にではなく、主に仕えるように、善意をもって仕えなさい」(エペソ6:7)パウロは、奴隷たちに主に仕えるように地上の主人に仕えよ、と命じています。ヨセフもかつて奴隷として主人のために喜んで仕えました。彼は、どこに置かれても主に仕えるように地上の主人に仕えました。主から受けたあわれみと恵みを知っていたからではないでしょうか。私たちも、このヨセフの姿にならいたいと思います。仕事を通して、家庭や地域の中で、イエス様に仕えるように、心を込めてお仕えしたいと思います。

私たちは、今いるところに神様から遣わされ、社会の一員として置かれています。神様はそのところで、私たちを用いてみこころをなされます。そして、私たちに働く喜び、仕える喜びを与えてくださいます。今置かれているところで、イエス様に仕えるように、喜びをもって仕えてまいりましょう。