主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

創世記41:14-43 「人生の大逆転」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。」(ローマ8:28)

【礼拝メッセージ要旨】

ヨセフはいよいよ監獄から出されて、パロの前に出て行くことになりました。ここからヨセフの人生の大逆転劇が始まります。神様は彼をどのように導かれたでしょうか。

1)パロの前で
「私ではありません。神がパロの繁栄を知らせてくださるのです」(16)ヨセフは王の前でも自分をアピールすることをせずに、ただ神様に栄光を帰しました。そうしてヨセフは、王の夢を聞いてその意味を解き明かします。それは、7年間の大豊作の後に7年間の厳しいききんが訪れることを意味していました。さらに、来るべきききんの時に備えて今からなすべきことがありますと、パロに進言します。

ヨセフは、①「さとくて知恵のある人」を立てて国を治めさせること、②そのリーダーの下で働く監督官たちを国中に配置して、豊作の期間に食料を集め蓄えさせること、を提言しました。この時もヨセフは、自分をアピールするようなことは一切していません。彼はただ、エジプトのことを思って進言したのです。自分の利益を求めずに人のためを思うヨセフの姿勢に、私たちもならいたいと思います。

2)ヨセフ、エジプトの大臣となる
「このことは、パロとすべてのたちの心にかなった」(37)そこにいた誰もがヨセフのことばに納得し、心から賛同します。そしてパロは、ヨセフこそ「さとくて知恵のある者」であると宣言し、彼をエジプトでパロに次ぐ大臣の地位につけて、国の統治を任せました。外国人の奴隷の囚人であった若者が、時の大国エジプトの支配者となったのです。考えられないような人生の大逆転が起こりました。その後彼は、エジプトの大臣として精力的に仕事に取り組みます。自分の足で国中を巡り歩き、民の生活を実際に見て、町々に穀物を蓄えさせ、ききんへの備えを十分にすることができました。

3)労苦に報いてくださる神様
ここまでのヨセフの人生は、本当に波乱万丈の人生でした。この人生をヨセフ自身はどのように受け止めていたでしょうか。実は、ヨセフに生まれた二人の息子たちに付けた名前に、彼の思い(信仰)がよく表されています。

①彼は長男を「マナセ」(忘れる)と名付けます。「神が私のすべての労苦と父の全家とを忘れさせた」(51)神様がこれまでのすべての労苦を忘れさせてくださった、というのです。ヨセフのエジプトでの13年間の苦しみを忘れさせるほどに、神様は彼の心の傷を癒してくださり、その苦しみにはるかに勝る喜びを与えてくださったのだと思います。そのように、神様は、私たちのどんな苦しみをも忘れさせてくださり、癒してくださるお方です。私たちの罪のために十字架についてくださったイエス様が、いつも私たちとともにいて、慰め、励ましてくださるのです。それは、何よりも大きな慰めであり、喜びではないでしょうか。

②そして次男を「エフライム」(実り多い)と名付けます。「神が苦しみの地で、私を実り多い者とされた」(52)ヨセフにとって「苦しみの地」となったエジプトで、神様は多くの恵みを与え、祝福されたというのです。彼はその地で神の訓練を受け、多くを学び、神により頼む者とされていったのです。そして神様は、彼の労苦に豊かに報いてくださいました。

神様は、神に信頼し、忠実に従う者を決して放っては置かれません。私たちも、「苦しみの地」に置かれることがあります。それでも、神様は私たちを守ってくださり、恵みを与え、私たちの労苦に豊かに報いてくださいます。このことを覚えて、たとえ逆境の中にあっても、神様に信頼し、忠実に仕えていきたいと思います。

「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。」(ローマ8:28)ヨセフの人生が神様によって導かれていたように、私たちの人生も神様に覚えられています。神様はすべてのことを働かせて益としてくださいます。たとえ今、困難の中にあるとしても、神様のご計画があると信じて、神様に信頼してお従いしてまいりましょう。