主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

創世記39:1-23 「置かれたところで前を向く」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「しかし、主はヨセフとともにおられ、彼に恵みを施し、監獄の長の心にかなうようにされた。」(創世記39:21)

【礼拝メッセージ要旨】

エジプトに奴隷として売られたヨセフ。そんな悲惨な状況の中でも、彼は決して腐らずに前を向いていました。

1)ポティファルの家で
ヨセフは、パロの侍従長であったポティファルに買われ、彼の家で奴隷として仕えることになります。彼は家族から引き離され、自由を奪われましたが、決して自暴自棄になることはありませんでした。「主がヨセフとともにおられたので」(2) 彼には父ヤコブから受け継いだ信仰がありました。他の物は失っても、信仰は失われなかったのです。誰にも頼れない困難の中で、神様を呼び求めました。そして、ともにおられる神様に希望を置いていました。「彼は幸運な人となった」神様はヨセフの祈りに答え、彼を祝福し、彼のなすことをことごく成功させてくださいました。彼は奴隷として誠実に精一杯主人に仕えます。そんなヨセフの姿に主人は目を留め、信頼を寄せるようになります。やがて主人の側近に抜擢され、ついには家の全財産まで任されました。「主はヨセフのゆえに、このエジプト人の家を祝福された」(5)私たちも、私たちがいることによって、家庭が祝福され、職場が祝福され、地域が祝福されていくような、そんな存在になりたいと思います。

2)誘惑を受ける
その後、ヨセフは主人の妻に目を付けられてしまいます。彼女はハンサムなヨセフに言い寄り誘惑しますが、ヨセフは主人と神に対して罪を犯すことはできないと言って、きっぱりと断ります。それでもあきらめきれない主人の妻は、ある日誰もいない家で、ヨセフの上着をつかんで迫ります。その時ヨセフは上着を残してその場から逃げ去りました。彼は、誘惑となるものから離れて(近寄らず)、危険が迫った時はすぐに逃げたのです。この姿勢こそが誘惑を退ける秘訣です。

3)投獄されるヨセフ
主人の妻は、ヨセフの上着を証拠にして、ヨセフが自分にいたずらをしようとしたと言って彼に濡れ衣を着せようとします。その訴えを聞いた主人は、怒りに燃えてヨセフを捕え、監獄に入れてしまいました。この時、ヨセフは一切弁明をしませんでした。主人の妻の立場を思いやってのことだったのかもしれません。主人は妻の話だけを聞いて、一方的にヨセフを裁きました。私たちも、思い込みで一方的に人を裁いてしまうことがないように気を付けたいと思います。

こうしてヨセフは、またしても落とされました。今度は囚人の立場です。しかしここでも、ヨセフは希望を失うことはありませんでした。主はヨセフとともにおられ、恵みを施します。彼は自分の置かれた立場を受け入れて、監獄の長のもとで誠実に忠実に働きます。その働きぶりは監獄の長の目にも留まり、信頼され、囚人たちの世話を任されるようになりました。

4)主はともにおられる
最後に、この箇所から2つのことに目を留めたいと思います。
一つは、「主は私たちとともにいてくださる」ということです。イエス様は「インマヌエル」(マタイ1:23)とも呼ばれます。「インマヌエル」とは、神は私たちとともにおられる、という意味です。「見よ。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたとともにいます」(マタイ28:20)神様がヨセフとともにおられたように、イエス様は私たちとともにいてくださいます。私たちがどんなに困難な状況に置かれても、私たちを決して見捨てることはなさいません。私たちに寄り添い、信実に関わってくださるのです。このことを信じて、ともにいてくださるお方により頼む者となりたいと思います。

5)置かれたところで前を向く
二つ目のことは、「置かれたところで前を向く」ということです。ヨセフはどん底に突き落とされても、とことん前を向いていました。決して腐らずに、自分の置かれた境遇を受け入れて、そこで自分のなすべきことに誠実に取り組んだのです。超前向き思考です。どうしてそんなに前向きでいられたのでしょうか。ともにおられる神様を見つめていたからです。どんなに落とされても、神様から目を離しませんでした。私たちも、この信仰に立ちたいと思います。そして、今置かれているところで、前を向いて、自分のなすべきことに心を込めて、精一杯取り組んでいきたいと思います。神様は、恵みをもって応えてくださいます。

いつも私たちとともにいてくださる神様を覚えて感謝をおささげしましょう。そして、どんな状況に置かれても、神様を見つめながら前を向いて歩んで行きたいと思います。