主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

創世記37:1-28 「ねたみ心が湧いた時」  齋藤牧師

【今週のみことば】
「愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません。」(Ⅰコリント13:4)

【礼拝メッセージ要旨】

今日からヤコブの息子ヨセフの物語に移って行きます。ヨセフは兄たちに妬まれて売られてしまいます。ヨセフはどうして兄たちに妬まれてしまったのでしょうか。この箇所から、妬みという感情とその対処法についてもご一緒に考えたいと思います。

1)妬まれるヨセフ
ヤコブには、4人の妻たちとの間に12人の息子たちが生まれます。ヨセフは、最愛の妻ラケルとの間に11番目の息子として誕生しました。兄たちとは年が離れていたようです。「まだ手伝いで」(2)ということは、兄たちからは一人前とは見られていなかったようです。そんなヨセフのことを父親のヤコブは、他の兄弟の誰よりもヨセフのことを愛し、ヨセフにだけ特別な「そでつきの長服」を作ってあげました。兄たちはヨセフのことを妬み、憎むようになります。ある時ヨセフは自分の見た2つの夢のことを兄たちに話します。兄弟たちと両親までもがヨセフを拝んでいる、というものでした。兄たちはますますヨセフをねたみ、憎むようになりました。

2)なぜ妬まれたのか
ヨセフはどうしてこれほどまでに妬まれてしまったのでしょうか。いくつか要因がありました。①まず、兄弟間の序列意識がありました。「年下のくせに、半人前のくせに」という思いです。②また、ラケルの子ということへの差別意識があったと思います。③そして、父親の偏愛がありました。「なんでヨセフばっかり」という不満です。④さらに、ヨセフの、兄たちへの配慮のない態度が兄たちの怒りを買いました。こうして兄たちの妬みが憎しみになり、殺意へと変わっていきました。そうして事件が起きます。

3)売られるヨセフ
野にいた兄たちのところへ使いに出されてやってきたヨセフを、兄たちは遠くから見つけ、ヨセフを殺そうと企みます。長男のルベンと4男のユダが機転を利かせて彼らを説得し、ヨセフの命は救われますが、ヨセフは通りかかった商人に売られて、遠いエジプトへ連れて行かれることになってしまいました。しかし、この出来事の背後にも神様の壮大なご計画が秘められていたのです。

4)妬みの感情とは
兄たちはヨセフへの妬みの感情を収めることができずに、殺意を抱いてしまいました。この妬みの感情について少し考えてみたいと思います。
「妬み」とは、自分にはない好ましいものを他の人が持っているのを見た時に感じるマイナスの感情です。妬みの感情は、自然に湧き上ってくるものです。それを抑えることはできません。妬まない人はいません。誰でも妬むのです。しかし、大事なことは妬み心が湧いた時、そのマイナスの感情をどう処理するかです。聖書はその対処法を教えています。

5)妬みへの処方箋
最後に、妬みへの処方箋として2つのことを確認したいと思います。

①一つは、「キリストのもとに持っていく」ということです。「主イエス・キリストを着なさい。肉の欲のために心を用いてはいけません。」(ローマ13:14)「キリストを着る」とは、イエス様につながってイエス様と一体になることを意味しています。イエス様につながり続けることで、肉の欲望に支配されてしまうことから守られるのです。もし、そんな思いが心に湧き上ったら、イエス様に助けを求めて祈りたいと思います。イエス様は必ず助けてくださいます。

②もう一つのことは、「キリストの愛を思い起こす」ことです。「愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません。」(Ⅰコリント13:4)この「愛」は、「イエス様の十字架の愛」のことです。実はイエス様こそ、最も妬まれたお方でした。ユダヤ人指導者たちに妬まれ、憎まれて、十字架につけられたのです。彼らの姿は私たちの姿でもあると思います。人を妬み、憎んでしまう、そんな弱さが私たちの中にもあります。イエス様は、そんな私たちの罪を全部引き受けて、十字架に向かわれました。そして、大きな愛で私たちの罪を赦してくださったのです。このイエス様の十字架の愛を思い起こすことです。そうする時に、イエス様に倣う者となれるのではないでしょうか。

私たちにはイエス様の助けが必要です。イエス様により頼みながら、肉の思いに打ち勝つ者となりたいと思います。