主日礼拝メッセージ(赤文字をクリックするとメッセージが聴けます。MP3ファイル)

創世記30:1-24「比べなくてもいいのです」    齋藤牧師

【礼拝メッセージ要旨】

一度に二人の妻をめとることになったヤコブ。彼を巡って、レアとラケルはお互いに比べて嫉妬し、争いを繰り広げていきます。そんな彼女たちのことを、神様はどのように見ておられたでしょうか。

1)レアの思い
姉のレアは、姿も顔立ちも美しかった妹のラケルと幼い頃から比べられて、劣等感を抱いていたのかもしれません。そのレアが最初ヤコブの妻として与えられますが、一週間後、ラケルもまたヤコブの妻となります。ヤコブの心はラケルに向いていました。神様は、そんなレアの悩み、苦しみをご覧になり、彼女の胎を開いてくださいます。レアは、ルベン、シメオン、レビ、ユダの4人の男の子を産み、主をほめたたました。

2)ラケルの思い
一方、子どものできないラケルは、レアに嫉妬し、ヤコブに訴えます。そして、自分の女奴隷によって夫の子どもをもうける、という手段に出ます。ラケルの女奴隷ビルハは、ヤコブにダンとナフタリの二人の男の子を産みます。「私は姉と死に物狂いの争いをして、ついに勝った」(8)この言葉に、ラケルの切実な思いが表わされています。ヤコブの愛情が分かっていたにもかかわらず、レアと比べて自分には子どもがいないということに劣等感を感じていたようです。ビルハの子どもたちによって落ち着きを取り戻します。

3)対抗するレア
また苦しくなったレアは、自分の女奴隷のジルパを夫に与え、ガドとアシェルの二人の男の子をもうけます。そんなある時、レアの息子ルベンが野で見つけてきた恋なすびを巡ってラケルとレアが取り引きをしたことにより、再びレア自身に子どもが与えられます。神様はレアの願いを聞かれ、イッサカル、ゼブルンの二人の男の子と女の子のディナが生まれました。

4)ヨセフの誕生
レアと比べて、また苦しい思いになっていたラケルは神様に願い求めます。神様はラケルを覚えておられて、ラケルにもようやく自分自身の子どもが生まれて、ヨセフと名付けました。

5)人と比べることについて
レアとラケルの姉妹は、共通の夫ヤコブを巡ってお互いにライバル意識を持って、争いを繰り広げました。相手と比べて優越感を抱いたり劣等感を感じて悩み苦しみました。私たちも、つい人と比べてしまうということがあるものです。では、人と比べることについて聖書は何と言っているでしょうか。イエス様は、お互いを比べて「誰が一番偉いか」と議論していた弟子たちに、「あなた方の中で一番小さい者が一番偉いのです」と言われました。人の目には一番小さい(価値のない)と思える者をも、実は価値ある存在だと神様は認めておられます。人と比べて、優越感を抱いたり劣等感を持ったりする必要はありません。なぜなら、神様は一人一人をそれぞれユニークな神の最高傑作として造られたからです。一人一人個性があり、違いがあります。ですから、人と比べる必要はないのです。
また、イエス様は「タラントのたとえ」を話されました。1タラント預かった人から見れば、5タラント預かった人はうらやましく思えるかもしれません。でも、1タラントは、それだけでも充分な金額でした。神様は、その人に合った、最もふさわしい良い物を、充分に与えてくださっています。私たちは、その賜物を、自分自身のために、そして他の人たちのために精一杯用いていくことが求められています。そのために、自分の良いところを磨いて伸ばしていきたいものです。

6)神様は覚えておられる
お互いを比べて争っていたレアとラケルのことを、神様はそれぞれにしっかりとご覧になっていました。彼女たちの苦しい思いをすべてご存じで、心配してくださっていたのです。神様は、私たちのことも同じように覚えてくださっています。このことにぜひ目を留めたいと思います。

私たちは、神様に造られ、愛されている価値ある存在です。神様は、私たちの良さを分かっておられます。このところにしっかりと立っていれば、人のことはあまり気にならなくなるのではないでしょうか。自分には神様に造られた良いところがあって、人にも良いところがあることを認めていきたいと思います。そして、お互いに、その良いところを伸ばしていけるように励まし合ってまいりましょう。